不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

必ず売れる「値付け」の考え方(2ページ目)

家を売るときには6つの価格があります。それぞれの意味と数字を把握して、買い換えを成功させましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

■ラッキーは期待できるが、撤退の可能性も…

ただし、ラッキーは起こります。高い販売価格で売りに出してそのまま決まってしまうことがたまにあります。だいたい、「隣の人が買った」とか、「急いでいる買い手がいた」とか、特別な事情による取引です。こうしたラッキーなことは販売の初期に起こります。物件の鮮度が高い時には、高く売れることもあるということです。私は、「1ヶ月を過ぎたらラッキーは起きません」と助言します。1ヵ月後から、(6)の成約価格にむけての価格調整が始まります。

一番大事なのは、(4)の売り手の限界価格です。これ以下の価格では、買い換えの方程式が成立しないとか、予算が足りなくなる、欲しい物件が買えなくなるという最低限の価格です。この限界価格を業者に告白する必要はありませんが、家族の中ではしっかりと頭に刻み込んでおきたい数字です。事態がこうなったら、買い換えを中断しようと決めておくことも、大事な勇気です。


■指値への対応は多少やっかい

最初の販売価格でスパッと売れれば問題はないのですが、やはり値引き交渉は来ます。「いくらにまけてくれれば買う」という交渉を、指値(さしね)と言います。冷やかしみたいな指値は無視して構いませんが、指値に対する回答には気を使って下さい。
YESかNOの簡単な回答なら良いでしょうが、「いくらなら売ってあげる」という交渉を買い上げと言います。逆指値みたいなものです。例えば3000万円で売りに出している物件に2800万円の指値が来ました。「あと100万円買い上げて下さい」と回答すれば「2900万円なら売るよ」という意味になります。

指値も逆指値も重い意味を持ちます。口頭でのやり取りであっても、約束です。前言をひるがえすようなことは絶対にできませんから、考えてから慎重に対応しましょう。不動産の売買はご縁とタイミングです。えげつない駆け引きは、トラブルの元となります。

さて、次号はすべてが終わった後にやってくる、税金の問題について触れましょう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます