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アールヌーボーの館ヴィクトール・オルタ邸の全貌:2

徹底したアール・ヌーヴォー様式の装飾に圧倒されてしまいます。 ドアから、家具はもちろん照明器具を吊す金具、全てにデザインされていて圧巻です。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

美しきアールヌーボーを探る中編、サロンとして使われたダイニングルームを中心にお送りします。


■ダイニングルーム


この家はスキップフロアー式になっており、狭い入り口から階段を数段あがると、今までに経験のない装飾模様の空間、ダイニングルームが広がります。そこにはゆるやかな曲面天井と壁にはエナメル仕上げのレンガが嵌めこめられ、床は寄木細工のフローリングの周囲に大理石モザイクを敷き詰めてあります。




壁面に組み込まれたサイドボードは食器の収納だけではなく、配膳台になっており料理がさめないようになっています。この部屋は庭に面して大きなガラス窓があり明るい空間になっています。入り口のドア枠にも注目してください。




天井の梁に細工された金属の飾りは、照明の配線を兼ねているように見えました。壁面上部にはレリーフが施されています。




ダイニングの隅に置かれていたダイニングチェアーです。後部に写る壁面のタイルと数種類の大理石の縞模様が部屋中に連続されています。床のモザイク模様もアールヌーヴォーの特徴である
植物を思わせる曲線で描かれています。


■音楽室


2階にあがる階段室が広い空間になっており、Music roomと名付けられています。正饗の準備ができるまで、食前酒を飲む部屋としても使われていたそうです。部屋の周囲は開放され、各部屋への展望ができます。




この音楽室は間仕切りのないオープンな空間で、各部屋につながるスキップフロアー中心で、大理石の階段を下がればダイニングルームに、数段あがればファミリールームに行くことができます。また、あのため息の出るような曲線美の螺旋階段がこの部屋から始まります。

意外にもオルタは日本の文化に興味があり、浮世絵の影響を受けたり、顧客のために日本美術の収集をしたりしています。なぜか、この家にも引き戸が使われていたりします。アールヌヴォーは装飾過多に思われがちですが、この以前のヨーロッパ装飾よりも、馴染めるのは不思議です。

次回は、ファミリールームなどのプライベートルームの紹介記事です。
美しきアールヌーボーを探る中編
続きはここをクリック!!



<関連サイト>
アールヌーボーの館ヴィクトール・オルタ邸の全貌:1
美しきアールヌーボーを探る前編

アールヌーボーの館ヴィクトール・オルタ邸の全貌:3
美しきアールヌーボーを探る後編



(C)March.2004 Copy by kanno
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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