目に見えないものがインテリアの出発点
■「住み手」と「空間」と「モノ」
インテリアは場所やモノではなく、そこに感じられる空気、あるいは住み手とモノとの調和のとれた空間の表情に感動を覚えることに始まります。例えば、「ウチは狭いから、高級な家具がないから・・・」と、インテリアに満足がいかない理由を空間の大きさやモノのせいにしてしまいがちです。しかし、広い空間や高級なモノがなくても、素敵に暮らしている場面を数多くみかけます。
そこは、「住み手」と「空間」と「モノ」とがうまく関連し合い、調和のとれた空間になっています。その調和がとれた空間にはリズムがあり、それが空気として感じられるとき、その空間にはインテリアとしての感動が生まれます。
インテリアの難しさは、生活をするための最低限の機能、それを満たすための有形無形のモノたちとの複雑な関係を上手にまとめあげるという困難があげられます。「住み手」が住まいとして「空間」と「モノ」との間に良好な関係が築けた時に、気持ちよく暮らせることになります。
■自分らしさの発見
自分にとって居心地が良く感じられることが、全ての人に共通ではなく、他の人にとってはイヤな空間、苦手な空間になることがあります。それは、人間それぞれの性格の好き嫌いがあるように、インテリアにも、組み合わせのさまざまな場面展開に好き嫌いが生じてきます。
誰でも美しく暮らしたいと願いながら、モノとモノとの関係、モノと空間との関係を整理できないまま、さまざまなハウー・ツーと呼ばれるモノだけでインテリアを構成していませんか!たくさんのインテリア雑誌を読んで、色や形を整えた空間を真似しても、なにかしっくりいかなくて、愛着がわかないことがあります。それは、その人の心の動きと空間の色具合、“自分らしさ”を発見できずにいることが多いのです。