建築家・設計事務所は相性が大切に

デザイナーズ住宅
空間を自在にデザインするデザイナーズ住宅も、最近ではメーカー並みの高性能を追求する傾向に
デザイナーズブームで昨今人気を集めている、建築家や設計事務所。建築雑誌のグラビアで紹介されるような斬新なデザインが一番の強みで、狭小・変形敷地にフレキシブルに対応できるというメリットもあります。言い換えれば、歴史的に規格型商品を多く供給してきたハウスメーカーは、設計事務所ほどのデザイン性・狭小変形敷地に対する柔軟性に及ばない面があるのは否定できません。

ただ、設計事務所はオーダーメイドで自分だけの住宅ができる反面、個性の強い建築家との相性が問われ、打ち合わせも長期間におよぶ傾向にあります。また、デザインを重視するあまり、住み心地や建て付け・収まりの優先順位が下がることもないとは限りません。

一方、ハウスメーカーでも最近のデザイン志向を受けて、建築家とタイアップしたり、社内のデザインチームを強化するなど力を入れており、一定レベルの都市部対応や狭小地対応プランも用意しています。

極端に狭小・変形だったりと敷地条件が特殊な場合や、予算に合わせた細かな仕様変更、個性的な外観の家づくりを希望する場合など、家づくりの条件がイレギュラーになるほど建築事務所が力を出しやすくなると考えるといいでしょう。

ハウスメーカー化する大手フランチャイズ(FC)

現在は、工務店や設計事務所などが単独で生き残ることが厳しい時代。そこでこうした工務店を組織化して、合理的な営業・施工・デザインシステムや部材を提供しているネットワーク会社が住宅フランチャイズです。まさに、コンビニやファミレスなどの住宅版と考えていいでしょう。

標準的な住宅商品やシステムを企画したり、技術指導やチラシづくりなどの広報宣伝などを本部が行い、指導に即した実際の営業・販売・契約・施工を、地場の工務店が地域密着のよさを活かしながら行うケースがほとんど。この意味で、FCはきわめてハウスメーカーの形態(本社が商品企画して施工するのは下請け建築会社)に近く、事実、「アキュラホーム」(埼玉、加盟工務店約2,000社)や「ロイヤルハウス」(名古屋、加盟店約200社)といった大きなFCは、ハウスメーカーのカテゴリに含めて説明されることも多いようです。
FCイメージ図
本部は商品や新工法、営業支援を加盟店に提供し、加盟工務店は加盟金や保証金、ロイヤルティなどを本部に支払う仕組み。規格型住宅ほどシステムが効率的になるため、団塊ジュニア層でも買える低価格住宅が実現する


このようにFCは、ハウスメーカーと工務店の中間的な位置に立ち、ハウスメーカーの「部材を共同発注することによる品質の安定とコストダウン化」というメリットと、工務店の「地域密着の家づくり」というメリットのいいとこ取りをした新しい形態として、1990~2000年にかけて次々と誕生しました。

ハウスメーカーとの差別化を強調するため、「ローコスト住宅」「坪20~30万円台」といった低価格路線を標榜するところが多いのも特徴。ただ本部が提唱する低価格や広告だけを信用せず、施工する加盟工務店の信頼性や技術力を確かめておくことも大切なポイントです。

戸建て業界はますますボーダレスへ

これまで比べてきた様々な住宅企業に比べ、信頼・実績・資金力ともに「一戸建ての王様」たる風格のハウスメーカー。しかし、こうしたハウスメーカー業界も、将来にわたって王者の地位が保証されているわけではありません。

急伸の中堅ビルダーが合理的な住宅供給システムでハウスメーカー業界に新規参入する一方で、野村不動産系の野村ホームや三井物産系の三井ハウスなど財閥系メーカーが一戸建て事業から撤退したという最近のニュースは、市場の厳しさを物語っています。少子高齢社会で確実に需要が減っていく中で生き残っていくため、日々、血道を挙げて営業や商品開発、リフォームや建て替えなどの新規事業開拓に取り組んでいるのです。

また、住宅フランチャイズをはじめ、工務店独自でもハウスメーカー並みのデザインやセンスを志向し、一方、ハウスメーカーでも地域の文化や気候に即した家づくりやデザイナーズ住宅を志向する傾向にあり、それぞれの違いや棲み分けが薄れてきているのも最近の傾向。その意味で、消費者にとってはますます依頼先選びが難しくなっているのかもしれません。

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