半数以上の子どもは「学校よりもダンゼン家が好き」
都内の小学生に「家で心が落ち着くのはどんなとき?」と質問したところ、1人でいるよりも家族と話したり一緒に何かをしている時のほうが落ち着く子がほとんど。子どもたちは親との交流を求めている(出典:ベネッセ教育研究開発センター「モノグラフ・小学生ナウVol.22-3「居場所としての家族」2002年) |
前述の三井ホーム「レゾンテ」を開発するにあたって元データとなったのが、ベネッセ教育研究開発センターが東京都の公立小学校高学年を対象に実施したアンケート調査。それによると、「家と学校のどちらが好きですか?」という質問に対し、「ぜったい家」33.4%、「どちらかといえば家」24.7%を含めた「家が好き派」は半数を超え、「学校が好き派」は1割にも満たしません。
また子どもは家でどんな時に「心が落ち着く」と感じるのでしょうか。上に掲げた調査結果によると、「家族みんなで食事をしている時」80.2%、「家族みんなでテレビを見ている時」80.2%、「親とおしゃべりしている時」77.1%と、親子のコミュニケーションが子どもの心の安定に大きな役割を果たしていることがわかります。
つながりにくい時代が生む「家族がつながる家」
最近の戸建て業界の共通キーワードは「家族がつながる家」 |
もちろん、従来から子育て世代向け住宅はありましたが、これまではどちらかというと「勉強に集中できるよう独立した子供部屋を……」「遊びは子ども部屋で……」といった、親と子の目線が別々のプランが多かったのではないでしょうか? 少子化、いじめや引きこもりなどが問題になるなかで、「パパもママも子育てを楽しみたい」若いファミリーのニーズを汲み取り、子ども目線で考えた「家族をつなぐ家づくり」がトレンドのようです。
「親子別々目線」から「親子いっしょ目線」へ
とくに子どもの成長は早く、親子が家の中で密接にコミュニケーションが図れる時期は、赤ちゃん~小学校低学年の約10年ほどの限られた期間。人生80年、100年住宅3世代ということから見ると、本当に短い期間ではありますが、実は子どもが生まれてから小学校低学年までの「シングルエイジ」は、親子が最も深いコミュニケーションを図れる、人間の成長にとっては最も大切な時期でもあります。これまでは、この大切なシングルエイジに強くフォーカスした住宅は正直少なかったのが現実。でも今後、マイホーム需要ボリューム層とみられる団塊ジュニアが子育て期に突入することから、こうした子育て住宅商品が増えるものとみられます。どの企業で建てるにせよ、こうした「子育て住宅」の設計や間取りの工夫は応用できるはずです。
【関連リンク】
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