昭和40年に始まった「壮大なまちづくり」
高度成長期に始まったニュータウンの街づくりは今も延々と続いている |
東京都市圏への一極集中による住宅難を解消し、郊外への居住誘導を図るため、UR都市機構(旧・住宅都市整備公団)が昭和40年に都市計画で決定し、以来40年以上にわたり新住宅市街地開発事業を行ってきましたが、両NTとも機構による開発事業は平成18年3月末で終了し、建設による「まちづくり」から「まち育て」という新しい局面に入っています。
一戸建てと集合住宅がバランスよく共存している多摩ニュータウン |
視察会の主催は前述のプレハブ建築協会。最初に訪れたのは、東京都稲城市・多摩氏・八王子市・町田市の四市にまたがる国内最大級ニュータウン「多摩ニュータウン」。都市機構のほか東京都や都住宅供給公社など8つの事業主体により、住宅だけでなく小中学校や病院・商業施設が計画的に開発され、世帯数8万戸・人口約20万人を抱える都市に成長しています。
その名のとおりニュータウンは常に新しい!
集合住宅と戸建ての良さを取り込んだタウンハウス分譲地。外壁を統一することで一つの「まち」に暮らしていることを住人も意識(ミサワガーデンN-City) |
驚いたのは、現在もあちこちで住宅が建てられ、文字通り「ニュー」タウンという光景。都市機構(旧・公団)が手がけた開発事業だけあって、電線の地中化や道路の幅員の十分な確保、緑を背景に高中低層それぞれの住宅が弓なりに描いている街並みは、都内高級住宅地でもあまり見られなくなった落ち着きを呈しています。
分譲地を囲むように残された浄瑠璃緑地。ここからの涼しい風が分譲地に舞い込む(ミサワガーデンN-City) |
明るいタイル張りの外壁で各戸を統一し、各戸の駐車スペースも連結させることで、街区全体がまとまりのある景観を成し、視覚的にもコミュニティ効果を醸成。ミサワホーム担当者は「緑を背景にした上質な暮らしが新たなステイタスになる街づくりをめざしました。愛着をもって街を育てるという新たな環境価値が創造できれば」と話しています。
次ページでは、同じく40年のまちづくりが続く港北ニュータウンが登場!