田舎暮らし/週末田舎暮らし・週末住宅

今、別荘でなく「週末住宅」を持つ意味(下)

忙しい現代家族がコミュニケーションをとる場としてのセカンドハウス。今回はその「新しいセカンドハウス・週末住宅」の場所・土地・素材・依頼先選びのポイントについてインタビューしました。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

海派?山派?で違ってくる場所・土地選び

ガイド 今回は場所選びや土地選びのポイントについて、お聞かせください。ズバリ、セカンドハウスを建てる場所を選ぶポイントとは?

週末住宅イメージ
「景色がごちそう!」がテーマの軽井沢の森に溶け込むセカンドハウス(以下、写真協力:「アドリエ137」
「大きくは海派・山派みたいな分け方がありますね。手に入れたい自然が湖なのか、川なのか、これはもう好き好きということに尽きますが、次に考えたいのは、普段暮らしている場所との距離感ですね。これは意外と大事。道路のアクセスがよいとか、そういうことがないと、せっかく建てても行くのが億劫になってしまいます」

「多少遠くても、高速道路を使えればそんなに疲れませんし、逆に一般道を延々というと、つらいかもしれません。シーズン中はある程度混雑することが予想されますから、距離だけでなく、そこまでの到達時間や道路状況がどうなっているかが大切。まずは、気に入ったところであることが条件。近いからといって、自分が気に入らないところで妥協しては本末転倒です」

ガイド 土地選びで気をつけるべきポイントは?

バスルーム
自然を思い切り取り込んだバスルームが作れるのも、セカンドハウスの魅力
「まず、その土地をよく知ることです。自然が豊かなところは、気候が厳しいもの。ワンシーズンだけを見て決めるのではなく、1年を通してその場所に何度も足を運んでみることから始めてはいかがでしょうか。周辺の建物の状況や街の様子を見たり、自然の移り変わりを体感していくと、自分たちの求める場所かどうか分かると思います。オンシーズンとオフシーズンではお店の開き具合も変わってきますからね」

「積雪のあるエリアなら、道路の雪かき状況とか(町や市で除雪あるいは別荘地だったら、その管理者が行うことが多い)、雪が積もっても現地まで車で入りやすいところなど、冬でないと現実が分からないでしょうし、風の強いエリアもしかり。本来は1年を通じて、24時間通じて見たいもの。せめて、夏と冬、午前と午後といった感じで」

バスルーム
敷地環境を生かして引き込み戸にした半露天風呂。気持ちよさそう!
「あとは、子どもの頃に両親に連れて行ってもらったとか、学生の頃よく遊びに行ったとか、そういう思い出のあるところもよいですね。実際は1年を通じて、その土地を見るなんてことはなかなかできませんので、とにかく地元の不動産屋さんと仲良くなって、いろいろ教えていただきましょう。価値観の合うよい不動産屋さんとの出会いが何より成功の鍵ですね」

どんなセカンドハウスにする?依頼先選び

ガイド さて、場所と土地が決まったら、次はどんな家にしようかということですが、それには設計者や建築家など依頼先選びも大切ですね。その際のポイントは?。

鈴木氏
インタビューに答えてくれた「アトリエ137」鈴木宏之氏。軽井沢セカンドハウスシリーズを手掛ける
「暖かいエリアなら気にすることもないのですが、塩害のおそれのある海辺や積雪などの寒冷地は、やはり経験のある方がよいと思います。地元在住で土地のことをよく知っている工務店さんとか。寒冷地の経験者であれば、地元の工務店さんとの付き合いも当然あるはずですから、その経験の中で教えていただけることもあるのでは」

「あとは、その建築家なり工務店が手がけた建物を見て、いいなと思ったら実際に会って話をして、相性がよいなと感じたらそれでOKではないでしょうか。他愛もないと思うようなことでも、疑問点などをぶつけてみましょう。他愛もない質問ほど、その答え方で、いろいろ分かってくると思います」

建築家や工務店によって週末住宅に対する設計の考え方は違うと思いますが、鈴木さんの場合、どう考えて施主と接しているのでしょうか?
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