LDK全体が雑然としないように適したプランを
一戸建てでもマンションでも、LDKがひとつの空間にプランニングされるケースが多くみられるようになりました。食事やくつろぎなど、さまざまな用途に用いる空間には、多種多様なモノが集まるため、それらに適した収納スペースを確保する必要があります。使い勝手のよい収納プランを考えないと、空間全体が雑然とみえてしまうケースもあるかもしれません。家族の食事やくつろぎの場であると同時に、お客様を招くことにもなるリビング・ダイニングは、住まいの核ともなるスペース。すっきりと片付いた空間とするためには、ライフスタイルを考慮した収納プランを検討することがとても重要です。
キッチンの周辺ユニットのデザイン性も高まってきている。LDK空間全体を考えてプランニングしたい。[Lクラスキッチン プラン例 フロートアイランドプラン] パナソニック エコソリューションズ
基本は使うところにしまうこと。家族の過ごし方をイメージして
すっきりと片付く、収納の基本は、「使うところにしまう」こと。その空間で家族がどう過ごすのかをイメージした上で、必要となるモノを洗い出し、どこに、どの程度の収納スペースが必要かを明確にするようにしましょう。たとえば、リビングスペースでは、テレビを見たり音楽を聴いたり、読書や繕いものをすることも。小さなお子さんの遊び場になるかもしれません。また、最近では、ダイニングは、食事の場だけでなく、子どもが宿題をしたり、パソコンを使ったり、アイロンなどの家事コーナーになったりと、多目的に使用することも多くみられます。それらに必要なモノは、リビング周辺の方がいいのか、ダイニング近くがいいのか、どの程度のボリュームの収納を確保すればいいのか、動線を含めて、検討することが大切でしょう。
リビング・ダイニングに収納したいモノをリストアップする
間取はもちろん、家族構成やライフスタイルによって異なりますが、リビング・ダイニングに収納したいモノには、下記のようなアイテムが挙げられます。リビングとダイニングとの間仕切りを兼ねた収納を設けたプラン。本棚や飾り棚にしても。[フィットシェルフ] DAIKEN
■テレビ、AV機器
テレビやAV機器、周辺機器の設置や収納方法は、間取りにも関わる重要なポイント。リビングだけでなく、ダイニングにも必要なケースもあるかもしれません。テレビも大型化し、置くだけでなく壁に掛けるプランも考えられますし、関連機器や取扱説明書などの収納スペース、リモコンなどの定位置を決めておくことも大切です。
■パソコン、電話・FAX
リビングやダイニングでパソコンを使用するのであれば、専用のスペースが必要な場合も。ノートパソコンなら、使うときだけ取り出せるような収納場所を用意してもいいでしょう。また、電話やFAXなどを設置するスペース、関連機器、用紙やインクなどの消耗品、携帯電話やスマートフォンの充電器のスペースも確保しておくと便利です。
■新聞、書籍、子供のおもちゃ・絵本
新聞や雑誌、書籍などは、意外とかさばり重さもあるものです。大きめの本棚などが必要な場合は早めに検討を。読みかけの新聞や雑誌の一時保管場所などがあると使い勝手がいいものです。また、子供のおもちゃや絵本などをまとめておけるスペースを確保しておくと、急なお客様が来てもすぐに片付けられるので重宝するでしょう。
■アイロン、裁縫道具
リビングやダイニングテーブルで細かな家事をする場合は、アイロンやミシン、裁縫道具などもすぐに取り出せるようにしておきたいもの。趣味の作業をすることもあるのであれば、それらの道具の場所も考えておきましょう。
■家計関係、学校の書類
家計関係の書類(通帳や家計簿)、学校や町内のレターのファイルなど、リビングやダイニングに収納しておく場合も。専用のスペースを用意しておけば、家族の誰でも把握できます。メモ帳、ペンなどの文房具も一緒に収納しておくと便利でしょう。
■薬、電池、掃除用具
薬や爪切り、ティッシュや電池などは、リビング・ダイニング周辺に収納したほうが使いやすい場合もあります。また、気が付いた時にさっと掃除ができるように、簡単な掃除用具が近くにあると使い勝手もいいものです。
■来客用の食器、日常使いの食器
来客用のティーカップやカトラリーなどは、キッチンではなく、ダイニングやリビング周辺に収納するケースも。また、お子さんがお手伝いしやすいように、ダイニング周辺に日常使いの食器を収納してもいいでしょう。
収納するモノに合わせて、棚や引き出しなどを設けておくと便利。スペースを取らない引き戸タイプも使い勝手がいい。 [引き戸ユニット] DAIKEN
何でも収納できる物入れスペースがあると便利
リビング・ダイニングの周辺には、さまざまなモノの収納に対応できる物入れスペースがあると使い勝手もいいものです。掃除機やティッシュペーパーのストック、アイロンなど、日々の生活に必要なモノの収納場所として、階段下などのデットスペースを利用した、小さめの納戸のような空間でもいいでしょう。キッチンの近くであれば、食品庫(パントリー)と兼ねてもいいかもしれません。壁面収納やキッチン周辺ユニットなどを組み合わせても
リビング・ダイニング空間の収納プランには、リビングボードなどの置き家具を取り入れたり、造作家具を設置する方法もありますが、建材(キッチン)メーカーの商品には、さまざまなタイプの壁面収納(システム収納)やシステムキッチンの周辺ユニットなどが揃っています。ダイニング周辺には家電収納があると便利な場合も。忙しい朝のお手伝いもしやすい。[システムファニチャー キュビオス パーツ スライド棚] パナソニック エコソリューションズ
メーカーの壁面収納商品は、空間や収納するものに合わせて、ユニットや棚、パーツ、扉材などを自由に組み合わせることが可能。システムキッチンの周辺ユニットは、食器棚や食品庫、家電などの収納を目的としたものですが、ダイニングまわりのさまざまなモノの収納に適しています。いずれも、空間に合わせてコーディネートができるように、家具のようなデザインを持つものや、床材や建具などとシリーズ化された商品などもみられます。LDK空間全体として、プランニングしやすいのが特徴でしょう。
リビング・ダイニングの収納を考える際には、単体ではなく、空間のつくりや間取りと同時に検討することが大切なのは言うまでもありません。プランニングを進める中で、壁面収納などの収納設備を検討する場合は、ショールームの空間展示などで、プランの工夫や組み合わせ方、デザインなどを参考にするといいでしょう。細かなデザインや使い勝手なども、実物で必ず確認すること。メーカーによっては、ホームページ上で簡単なプランニングができるコーナーを設けているところもあるので、利用してみてもいいでしょう。
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