今回の地震の震源は石川県能登半島沖でした。気象庁は26日、名称を「平成十九年(2007年)能登半島地震」と決定。 |
現段階ではテレビ、新聞などの報道でしか全半壊した建物の様子がわかりませんが「ある共通点」は見いだせます。詳細な原因は今後の調査報告が待たれますが、今現在でわかるその共通点についてみてまいりましょう。
瓦屋根の古い家屋が多い
屋根が重いと耐震性上はマイナスとなる。最近はスレート葺、金属葺などの軽い屋根材が多い。 |
古い家の場合、筋交いなどがしっかり入っていない場合があります。屋根が重く、筋交いが不足した状態で、かつ老朽化が進んでいた状態だったのではないかと推測されます。
1階部分が斜めに倒れている
柱と梁の間に斜めにかかる構造材を筋交いといいます。材と材をつなぐ役割をしますが、上下の端部の接合が甘く、引き抜けてしまう例が多く見られます。 |
筋交いが入っていたとしても、地震時にそれが抜けてしまい、機能しなかったことも考えられます。阪神淡路大震災でもそのような「筋交いの端部の接合不足」が指摘されています。
液状化現象が起こりやすい地域
今回の被災地では液状化現象も見られています。液状化現象とは、主に海岸や川などのそばで比較的地盤がゆるい土地において、それまで砂と水分がお互いにくっついていたものが、地震によって分離し水分が地面まであがってくる状態をいいます。雨のグラウンドでどんどん踏み固めると水分がじわーっとあがってくる状態に似ています。地震によって液状化現象が現れると、建物は傾き、道路は陥没し、マンホールは浮き上がります。建物自体が壊れなくても足元が崩れるため、家として使用ができなくなります。今回の被災地はそのように、もともと地盤が多く水分を含む土地だったと考えられます。
それでは次のページで、在来工法は地震に本当に弱いのか?を考えてみましょう。