住宅工法/耐震住宅・住宅工法

住まいづくりはまず構法からチェックしよう!NO.2 住まいの構法を比較してみよう

前回の「住まいづくりはまず構法からチェックしよう!NO.1」では、住まいに用いられる主な構法について紹介しました。第2弾の今回は、各構法それぞれの特徴を様々な角度から比較します。構法ごとの特徴の違いを理解して、自分にあった住まいの構法を検討しましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

「住まいづくりはまず構法からチェックしよう!NO.1」では住宅に用いられる主な構法を紹介しました。今回はそれらの構法の特徴を様々な角度から比較してみようと思います。

1.木造在来工法
間取りについて
・木造軸組工法は柱・梁などは「点」で構造体を構成しています。そのためデザイン・間取りの自由度が高く、大きな空間や開口をつくりやすいのが特徴です。将来の増改築も比較的容易です。

施工上の特徴(工期・価格等)
・基礎工事から完成までに約4ヶ月程で、2×4やプレファブに比べると長めです。公庫の調査では工期の平均は131.4日です。
・価格は使用する木材や仕上げ材により幅がでます。高級部材などにこだわればその分高くなります。

安全性・耐火性など
・地震に弱いというイメージを持つ人がいますが、木は引っ張りにも圧縮にも強い材です。しかるべきところを筋交いや火打ち、接合金物で補強し、正しく施工すれば問題ありません。
・木は燃えやすいと思われがちですが、柱のようにある程度太さのある木材は表面が炭化するだけでなかなか燃えません。建築基準法上、外壁などには耐火性のある材料を使うことになっていますが、用途地域によっては木の外壁は可能です。

断熱性・通風換気など
・木は熱を伝えにくい材料です。軸組工法でも断熱材を隙間なく施工することで断熱効果を高めることが可能です。
・窓が大きく取れるので風通しが良く、自然換気が十分できます。木は調湿効果も高いので健康に配慮した住宅をつくりることができます。

2.2×4(ツーバイフォー)工法
間取りについて
・規格サイズ(910?が基本、その他メーカーにより異なる)の壁や床が構造材となる工法なので、外壁のコーナー部分に大きな開口は空けられないなど構造上の問題なのでプランに制約がでる場合があります。

施工上の特徴(工期・価格等)
・工期は4ヶ月程度が平均。作業手順がマニュアル化され、部材の寸法も一定なので施工者(職人)の技量に左右されにくい工法です。
・規格が統一されているので価格のばらつきが少ない反面、コストダウンの余地は少なめです。住宅メーカーにより、間取りや仕様がある程度決まった低価格の商品を出しているところもあります。

安全性・耐火性など
・壁・床・天井の「面」で構成し、台風や地震などの外力は面で受けるので耐震性に優れ、また面構成で隙間が少ないため火が燃え広がりにくく耐火性も高い。公庫の準耐火構造に認定されています。

断熱性・通風換気など
・壁パネルで囲まれた構造のため隙間ができにくく、断熱材を隙間なく施工しやすいことから断熱性・気密性に優れた工法です。断熱・気密性が高いので24時間の機械式換気が用いられる場合が多いです。
・気密性が高いので外壁の遮音性は高いが、「面」で囲まれた構造のため上下階の音が響きやすい面もあります。
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