「村おこし」のオモシロ事例日本編です。やってるやってる、日本の田舎も頑張っております。
●方言をイベントにした町おこし/山形県三川町
1987年、駅もなければ観光名所もなかったこの町が「全国方言大会」を打ち上げました。キャッチフレーズは「おらほさ、来いちゃ、聞げちゃ、しゃべれっちゃ、お国自慢」。
第1回大会は規程文をいかに上手く?表現できるかのコンテスト。その後は、沖縄弁の参加、各地の放送局アナウンサーや外国人留学生を交えての方言シンポジウム、有名観光地のバスガイドによる方言観光案内、歌謡曲の詞を方言に換えてのカラオケならぬ生オケ大会、スペシャルゲストに俳優えなりかずき、それでも足りなきゃ、プロレスラー大仁田厚でどうだ!と、怒濤の勢いの方言ネタラッシュ。遂には「方言満作」を宣言。
毎年11月23日を「方言感謝の日」と勝手に?制定してしまいました。ここまで徹底すれば文句無しです。
●イノブタ君の力を借りて町おこし/和歌山県すさみ町
1981年の5月、町特産品の猪と豚のハーフ「イノブタ」君の力を借り、イノブタダービーというイベントが生まれました。
馬の代りにイノブタ、馬券ならぬ豚券を発行し、順位を当ててもらうギャンブルレースである。レース見物には予想を上廻る延べ7000人以上の見物客で大賑わい、当たり豚券と引換える賞品のイノブタのハム!も途中でなくなる大騒ぎだった。
ノリにのった町は、ダービー以外にも、Tシャツやエプロンから文房具まで10数種類のイノブタキャラクター商品の製作販売、また焼イノブタ、イノブタの味噌潰け、シイラとイノブタ肉によるノーセージなど加工品製造を行うとともに、郷土料理としてのイノブタステーキ、イノブタ寿司など関連商品も開発され、今後「イノブタの町すさみ」というイメージがさらに確立されていくものと思われる。
1985年には遂にミニ独立国「イノブータン王国」建国!格調高い建国宣言を起草し、王女、首相はじめ閣僚の人選を始めたが・・・フゥ~、その後の経過はインタネーットであなたが探してください。
●ナマズを食べて町おこし/長野県諏訪市
昭和30年代には年間8トンものナマズが諏訪湖漁協に入荷したとの記録もあるほど、ここの住民にはポピュラーな魚。
しかしイマイチ知名度がない。そこで観光協会や漁協、市などが「なまず倶楽部」なる会を結成してしまいました。
「ナマズは以外とあっさりとして、フグにも似た味といわれています」と宣伝に励んでおりましたが・・・その後、私は諏訪市のナマズの噂を聞いたことがない。
●漫画文化で町おこし/北海道上湧別町
際だった観光資源もない、過疎問題に揺れる人口6500人。さてどうやってこの町を元気にする?
そこで目を付けたのが漫画。漫画こそ、創造性豊かで魅力ある町づくりには欠かせないものと位置づけちゃいました。漫画美術館を建設し、オホーツク国際漫画大賞も開催。国内はもとより、中国、米国、ブラジル、イタリア、豪州など世界各国から応募があり、国際的にも定着したイベントとなっています。
「何で行政が率先して漫画を町づくり一環としてやる必要があるのか」との不粋な意見があるのも事実。しかし、湧別町の住民は負けません。
野外漫画学校、あなたが選ぶベストユーモア展、雪壁漫画展とワイワイ賑やかに楽しんでいます。
●法螺(ホラ)を吹いて町おこし/北海道帯広市
1982年4月1日、第一回ホラふき大会が帯広の大然寺で開かれました。境内を裸で赤ふんどしの男が空に法螺貝を向けて、ボォッボーと吹きながら進む。続いて青ふんどしの男が法螺貝を捧げ持ち、その後には羽織、袴の大会会長。以下それぞれ趣向を凝らした衣装の面々が神妙な顔で歩む。厳かにして、今にも吹き出してしまうようなセレモニーで始まった。
「ウソは犯罪的であるが、ホラは文化的である」との名文句。諸君、ホラリンピックを応援しよう!
もし、暮らしている町や住みたい村に、美しい風景も歴史的なイベントも何の呼び物もないとしたら。世界の田舎の試みが、想像力と元気を与えてくれます。
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