これは売買を担当した不動産業者がお盆休みを取っている間にいただいたご質問です。連絡の行き違いなどがあったまま業者が休みに入ると、ユーザーも困ってしまいますね。
(東京都 匿名 40代 女性)
「預手(よて)」とは銀行が振り出す小切手のこと
不動産の残金決済など、多額の金銭をやり取りするときは、持ち運びが容易かつ安全であり、お札の枚数を数える手間も省けるため、この「預手」を使用するケースが多いでしょう。
他の小切手でも同じですが、預手には横線(おうせん)を引くことが一般的であり、このような小切手のことを「線引小切手」ともいいます。
横線とは、小切手表面の右肩などに2本の平行線を引くか、あるいは2本線を引いたうえでその間に「銀行渡り」や「BANK」などと表示したものです(一般線引小切手)。
横線がある預手を受け取った相手先は、自分の取引銀行などを通じて換金することになるため、その受取人が特定されます。
つまり、落としたり盗まれたりして預手を手に入れた第三者が不正に換金したとしても、すぐに発覚する仕組みになっているのです。
ただし、相手先の都合により「横線なし」の預手を請求される場合もあります。このようなときに万一紛失すれば、とんでもない事故にもなりかねません。
横線がなく「持参人払い」の表示があれば、すぐに換金される可能性もありますからくれぐれも注意が必要です。
預手を発行してもらうときには所定の手数料がかかります。また、預手の発行を銀行窓口で依頼するのは決済(支払い)当日か、早くても前日程度が原則です。手元に何日も置いておくのは危険なばかりでなく、受取人の銀行への呈示期間(有効期間)が短いためです。
なお、「預手」ではなく「保手(ほて)」と呼ぶのが通例となっている地方(中部地方など)もあります。これは「保証小切手」という通称を略したものであり、その意味合いは預手とまったく同じです。
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