水道加入金などは、水道(給水装置)を新設する場合や、すでにある水道の口径を増径させる改造工事をする場合に必要となりますが、増径の際には旧口径と新口径の規定額の差額分が徴収されることが多いでしょう。

また、徴収された加入金などは水道建設費の一部として使われ、水道を廃止しても返還されないことが一般的です。

ひとくちに「水道加入金」といっても、自治体によっては加入金以外に「量水器代、止水栓代、ボックス代」などの材料費が加算されたり、申込手数料や設計審査手数料、工事検査手数料が別途徴収されるなど、その内訳もさまざまです。

これらはそれぞれの役所(または水道事業者)に支払う金銭であって、それとは別に工事店へ水道工事費を支払わなければなりません。

さて、この水道加入金などの負担金ですが、公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会によるガイドラインでは「水道利用加入金も給水装置の新設工事費も新築分譲住宅の価格の一部」であるとして、「これらの費用を含んだ額を新築分譲住宅の価格として表示しなければならない」という指針を明らかにしています。

水道で手を洗う

水道設備は最も重要な住宅の要素の一つ

言い換えれば「水道加入金なども建物の原価の一部だから、それは販売価格に含めるべきだ」ということでしょう。

しかし、実際にはこれが周知徹底されているとはいえず、水道加入金などを販売価格とは別途の費用負担分として表示し、買主がそれを支払っている例もあるようです。

なお、この場合にそれぞれの役所などへは先に売主業者が支払っているため、加入金などに相当する金額を売主が受け取ることになります。

また、だいぶ以前のことになりますが、水道加入金の制度がない地域に立地する新築分譲住宅でありながら、水道加入金名目で買主から別途の金銭を受け取っていた売主業者が実際にあったほか、最近でも水道加入金の制度がない地域に建てられる新築分譲住宅の広告に、水道加入金が別途費用として記載されている例もありました。

単なる表示ミスだったのか、現実に水道加入金を請求したのか分かりませんが……。そのような状況ですから、悪く考えれば実際に設置したのとは違う口径の規定料金に相当する額を、買主に請求していることもあり得ないわけではありません。

ですから、不動産公正取引協議会のガイドラインに従いさえすれば何も問題はない、ということもできず、非常に難しい問題を孕んでいるのが現実です。

ガイドラインに沿って販売価格に含むことで、逆に曖昧さが隠されてしまうことにもなりかねませんし、原価率で販売価格を決める場合には、水道加入金などに対しても一定の利益が上乗せされることがあるでしょう。

もっとも、水道加入金を含んだからといって、そのぶん高く売れるとはかぎりませんが……。

購入する側の立場としては、契約締結前の段階で「水道加入金などを含んでいるのか、別途の支払いが必要なのか」を明確にしてもらうのと同時に、管轄する自治体の担当窓口または自治体のホームページで規定の金額を確認するなどの対応も必要になるでしょう。

水道加入金にかぎらず、それ以外の費用についても売買価格とは別の負担があれば、事前に明確にしてもらわなくてはなりません。複数の物件の価格を比較する際にも注意が必要です。

なお、土地を購入して注文住宅を建てる場合などにも、同様に水道加入金の負担が必要です。建築工事の見積書などに記載されているでしょうが、事前にしっかりと確認するべきであることに変わりはありません。


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