ミニショップとなるギャラリーのようなエントランスから入ると、一見して何もない白壁とその先に障子、壁の向こうには浴室が隠されています。障子の部屋は、ほんとにほんとに小さな3畳の和室。思わず籠もりたくなるようなDENということです。ここから折り返して先が地下への階段で、地下はコンクリートに囲まれたまるで“ドラキュラの居室”(失礼!)のような寝室です。
ハイライトはなんといっても2階ですが、階段を上りきると南面に開かれたLDKに出ます。広い開口部にしっかり取られた天井高(ここだけは高くなっている)、開放的で美しい空間です。
これに対して北側は、階段部を挟んで右がキッチン、左が2人の子ども部屋になっています。左右対称の子ども部屋は、どう見ても造り付けの家具の一部。ドアを開けて入ると収納と短い廊下、その先に机のある小部屋があります。そしてこの収納の上がなんとベッドということになっている。これにはさすがにビックリしましたね。
こんなに閉塞的でいいのかなー、夏とか暑くはないのかなーと心配してしまいますが、子どもたちはいまのところ「大喜び」だとか(山口さん談)。いっぽうキッチンにはトップライトがあって、午後の光がさんさんと差し込んでいました。ここからは建物のアプローチを見おろすテラスに出ることができます。アプローチに植えられた木々をわたってくる風がじつに爽やか。ここはきっと山口さんや子どもたちのお気に入りの場所になるのでしょうね。
■設計 :椎名英三建築設計事務所
http://www.e-shiina.com
■構造 :梅沢建築構造研究所
■設備 :環境計画(設備)、ギア設計(電気)
■施工 :宍戸工務店
■協力 :ザ・ハウス
http://www.thehouse.co.jp/
●敷地面積 :258.31m2
●建築面積 :154.99m2
●延床面積 :344.47m2
●賃貸部分 :41.27m2
●弟住戸 :41.27m2
●建て主住戸:94.45m2