シンプルの極みもよし、変化の極みもよし

次はシンプルの極みとも言える1軒。ドイツ系ブラジル人と日本人のご家族の部屋だそうです。
こちらは何もない、いや何もつくってほしくないという要望に応じてシンプルな上にもシンプルにしたとか。コーポラティブハウスのよさは、逆にこうしたこともできるところにあります。

インテリアにはお金をかけず、素のままを買う。それは今、もっとも安く住宅を手に入れる方法と言えるかも…。1階は階段があるのみのLDK、2階は寝室&子ども部屋&バスルームを合理的に配置した空間になっています。あとは、住まわれてから自分たちの手で自分たちの色に染め上げていくのでしょう。

続いては、スキップフロアの部屋。エントランスを中心に、廊下を抜けると寝室、下がってバスルーム等の水回り、1段上がった踊り場がDEN(ワークスペース)、さらにその上がLDKになっています。

使われている素材も、木からテラコッタ、煉瓦、OSBと多種多様。次々と違うテイストが展開する変化のある空間ですね。しかもその一つひとつが小さいので、すべてが“隠れ家”的な遊びに満ちています。こういうことができるのも、コーポラティブハウスならではの魅力と言えそうです。
靴を履いて生活する?オトコ空間

最後の1軒は、独身男性が一人で住まわれる部屋。男性っぽい、気取らないシンプルさが満ち溢れています。空間はほとんど素のまま。必要な生活機能が素っ気ないくらいの感じで配置されています。
たとえばガラス張りのバスルーム。あまりにも開放的なそれは、訪れた人をみんな自分色に取り込んでしまうような力強さを持っています。

2階は“何もない”LDK。大きな開口部がありますが、外からの視線を考えれば、ここはカーテンかブラインドで緩やかに遮られ、プライバシーを確保しつつ採光と通風の機能を果たすことになるのでしょうか。床は1階も2階もすべてが石タイルで、まるで靴を履いて生活するかのよう。いや、そのほうがここでは暮らしやすいかも知れません。
さまざまな人びとが集い、空間を一部共有しながら住むコーポラティブハウス。そこにはじつに、多様な生活スタイルに合わせて多彩に展開される居住空間が集まっています。いやー、いつ見てもそれは壮観な人間模様ですね。
■「J-patio」
企画・設計監理:ゼロワンオフィス
●総戸数 :15戸
●構 造 :壁式鉄筋コンクリート造 地下1階地上3階建
●建築面積:約410.5m2
●延床面積:約1399.25m2
●住戸面積:約51~98m2台
□ 「J-patio」の前編はこちら!
□ 最初のコーポラティブハウス「J-alley 自由が丘」はこちら!
□ コーポラティブに関するサイト集
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