別世界から舞い降りたキュービック
京王線・千歳烏山から徒歩18分、井の頭線・久我山からだと約15分というのは、駅からの徒歩圏ギリギリといったところでしょうか。納谷学+新さん(納谷建築設計事務所)の千歳烏山の家は、そんな場所にあります。このあたりは寺社が多く、住環境としては悪くないのですが、墓地の近くに住むのは抵抗があるという人には向きません。この家も、ずばりそんな立地にありました。
外観は白いキュービック。不連続に並んだ開口部のデザインが納谷さんらしさをアピールしています。寺社や竹藪が並ぶ烏山の古い町並みの中で見ると、別世界からふわりと舞い降りてきた未確認物体のようにも見え、思わず楽しくなってしまいますね。
中に入ると、目の前に上階への階段。その右側にバスルーム等の水回り、左側に半透明のアクリル板に覆われた居室があります。窓はなしですが、壁からの透過光でかなり明るい。床はベージュのタイルで水回りと一体。人間はこれだけでも生活できるかもと思ってしまうほど快適です。アクリル板の壁は水回りにも使われていて、こちらも明るくて開放感のあるバスルームになっています。