遊び場だった森を切り開いて建てた家
つくば学園都市からクルマで約10分。低い山道を行った森の中に、その家はあります。聞けば、設計の岩佐周明(岩佐設計工房)さんと建て主の美術家の方とは同じ中学高校に学んだ間柄。おたがいに気の知れたところで、人間と愛犬とが楽しく健康に暮らせる家を建てようとの合意に至ったということです。
手前にあるのは必需品の芝刈り機 |
「建て主さんは、この地で生まれ育ち、この森は子どもの頃からの恰好の遊び場だったわけです。なので、できるだけ周囲の大きな木はそのまま残しながら、周囲の環境を壊さない、それでいてモダンで暮らしやすい家を建てようということになりました」(岩佐さん)
クルマですこし走れば、古民家を改造した陶芸教室やカフェ・レストランもあり、藁葺き屋根の民家なども残っている、なかなか素敵な地区なのですが、いかんせんどこに行くにもクルマが必要。ある意味、ちょっとした陸の孤島でもあります。どちらかといえば海外のどこかの別荘地のような感じでしょうか。
別荘地と書きましたが、家そのものも別荘のような趣きがあります。森の中に真っ白な家。それはいやがおうにもリゾートな気分を感じさせます。
建物は同じ真っ白な棟が2つ接続する形。いわば母屋と蔵のような関係です。これ全部が居住空間?だとするとすごい大家族かなと思いましたが、住まわれているのは建て主さん夫婦と10歳になるウエスティ(ウエストハイランドテリア)の女の子だけだとか。蔵に見えたのは、ご主人のアトリエ兼絵画教室で、芸大出身のご主人は地元の学校の美術講師をつとめるかたわら、ここで近所の子どもたちを集めて絵を教えておられるそうです。