和とモダンがみごとに融合 スチール製の手摺りはちょっとしたオブジェ風 続いてスチール製の階段を上がると、2階は完全なプライベート空間。階段と平行してある廊下を軸に、時計回りに露天風呂付きのテラス+シャワー室+パウダールーム、クローゼット+主寝室、子ども部屋2(娘の部屋)、子ども部屋1(息子の部屋)、奥様専用の書斎が並んでいます。このうち、中央部に位置する子ども部屋2は、息子が海外に留学した後に1階サロンの延長として使う可能性を考え、階段室との間仕切りが取り外しのきく家具収納になっていました(この場合、娘が子ども部屋1に移動する)。 2階の廊下に続いてある主寝室のクローゼット和紙が使われた廊下の天井間接照明が柔らかい 階段スペースから2階の天井と一部の壁に使われているのは麻や和紙、それが間接照明の柔らかな光にとてもよく馴染んでいます。床は落ち着きあるチーク材。階段の手摺り部分に使われた黒いアイアンは、それらの柔らかな素材感の中で、唯一“強さ”を主張していました。よく見ると、この手摺りもまた工芸品的な味わいがありますよね~。室内の壁はほとんどがクロスでしたが、これは建て主さん一家が何年に一度か張り替えて気分をリフレッシュしやすいようにとの配慮からとのことです。 主寝室の床はチーク、壁は模様替えが簡単にできるクロス 子ども部屋のベランダ、格子で視線を柔らかくカット なかでも2階の特筆すべきこだわりは、やはり2階専用の露天風呂でしょうか。アメリカ人のご主人らしいこだわりともいえますが、信楽焼きの円形のお風呂は、室内ではちょっと得られない開放感。こんなお風呂なら、おいしいお酒を飲みながらゆっくりのんびり長時間の入浴を楽しめそうです(1階にもインナーのお風呂がありますが、ここにもシャワー室が併設されていてとても充実)。 この家もまた、和とモダンがみごとに融合した一軒ではないかと思います。 誰もが一度は使ってみたい信楽焼きの露天風呂つい長湯をしてしまいそう ■設計監理 :廣部剛司/廣部剛司建築設計室 ■構造設計:大内彰/エスフォルム ■施 工 :宗建築 ●敷地面積:238.0m2(72.1坪) ●建築面積:95.18m2(28.8坪) ●延床面積:215.51m2(65.3坪) ●構 造 :RC造(地下)+木造在来工法 地下1階、地上2階 ■廣部剛司さんの他の作品はこちら↓ 渋谷の真ん中に「自分だけの空」を持つ家 桜並木の家 地球とつながっている家 アルファロメオを愛でる家 前のページへ12※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。