番組の企画や構成を売る番組フォーマット販売と呼ばれるテレビの国際市場で、番組を購入した海外のテレビ局が自国のタレントらを使って日本のバラエティー番組をリメークするケースが増えている。「とんねるずのみなさんのおかげでした」の一コーナー「脳カベ」が数カ国でヒットしたという報道が記憶に新しいが、視聴者チャレンジ系の代名詞である「SASUKE」をはじめ、日本のテレビ番組のヒットが少しずつ、目に付くようになってきた。文化の違いを超えて、日本のバラエティー番組が世界でウケている理由を、オールアバウト「お笑い・バラエティ番組」ガイドの広川峯啓氏に聞いてみた。

「お笑い・バラエティ番組」ガイド広川峯啓

「お笑い・バラエティ番組」ガイド
広川峯啓

「遡って思い出されるのは『アメリカ横断ウルトラクイズ』ですね。日本では“ニューヨークへ行きたいか!?”でおなじみでしたが、スケールは世界中に広げられていました。そしてご存知『料理の鉄人』。ズバリ『IRON CHEF』という名称で、番組内容もキャストや言語が変わったくらいで、ほぼ日本でヒットしたものを踏襲した形でした。

ドラマのように版権を買い、字幕をつけるなどしてそのまま放送するというアイデアもありますが、ことバラエティに関してはこのフォーマット販売があっていると思います。キャストに自国民を起用して、言葉の壁を取っ払えることがいちばん大きい。さらに製作者の欲求も少なからずあると思います。海外の面白い番組を見て“自分もこういう番組が作りたい”という思いが生まれても不思議ではありませんから」

近年にいたるまでの日本の番組の評価、番組販売の実績から、“海外で売れる日本製番組”の傾向を聞いてみると、こんな答えが。

「視聴者参加型の番組にはひとつ、ヒントがありそうです。視聴者参加型の番組で製作サイド、または視聴者が期待するのはリアクション。仕込まれていない、素の反応が笑いや感動を誘います。その点では、一般的に感情表現豊かな欧米人のリアクションに分があり、また、卒倒する人、泣き出す人、ラディカルなリアクションを自然に出せる視聴者の面白さはある程度期待できるでしょう。そこに、日本で作られた番組側の努力、つまり奥ゆかしい日本の視聴者をいかに素材として面白くできるか、素人いじりのスキルをうまく取り入れることで価値が高まります」

視聴者参加型、リアクションというキーワードを挟んで、売る側、買う側の異なる国民性が番組を面白くする。非常に興味深い視点だ。テレビ局も不況に喘ぐ昨今、このフォーマット販売は希望の光とも言われている。この手法に未来はあるのだろうか?

「何がウケるかどうかは、究極のところ、日本人には分からないと思います。日本では普通の番組、見慣れた形が彼らにとって斬新に映ることもあります。そういった意味では、長く心血を注ぎ込んできた日本の番組アーカイブは宝の山かもしれません。こちら側で探したり、海外を意識した番組作りをするのではなく、海外の人に多くの番組を見てもらい、見つけてもらうのが良いのではないでしょうか」
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