同じ収入なのに、どうして貯蓄額に差があるの?
同じ年齢、同じ会社に勤めている、同じ家族構成、同じような年収でも、不思議と貯蓄額に大きな違いがあることが多いです。どちらか一方の家庭が贅沢な暮らしをしたり、節制をした生活をしているという訳でもない場合に、その要因を分析してみると明確に意識の違いや、取り組みがあります。【Contents】
■日本経済の変化と、お金が貯まる家計のポイント(1ページ目)
■お金が貯まる家計の7つのポイント<1>
■お金が貯まる家計の7つのポイント<2~3>(2ページ目)
■お金が貯まる家計の7つのポイント<4~5>(3ページ目)
■お金が貯まる家計の7つのポイント<6~7>(4ページ目)
日本経済の変化と、お金が貯まる家計の7か条
ここ数年、日本経済の回復が目立ってきました。2015年になってからの景気などについて箇条書きにしてみると次のとおりです。・3月に有効求人倍率が23年ぶりとなる1.15倍になった。
(求職者100人に対して115人求人がある状態)
・4月に日経平均株価は2万円を超え、15年ぶりの水準に回復した。
・大手企業の賃上げが2.59%となり、1998年以来の高い伸びとなった。
・5月に上場企業の株式時価総額(株価×発行済み株式数)が、1989年のバブル期を超えて、590兆円を上回った。
・5月に総務省が発表した2014年の1世帯あたりの平均貯蓄残高が、2013年より59万円増加して、過去最高の1,798万円になった。
・6月に為替(対ドル)が125円になり13年ぶりの円安となった。
・東京証券取引所第1部に上場している企業の2014年度の最終利益が、過去最高の2007年度(19.3兆円)を上回り20.8兆円になった(2015年度は22兆円を超える見通し)。
このように国全体の経済が伸びていく中、個人の資産も負けずに増やしていきたいところです。
私がFPとして、各家庭の資産形成や家計の体質改善に取り組んでいる中で、お金が貯まる(増える)家計に共通する主な7つのポイントをご紹介します。まずは一つ目です。
1.給与天引や口座振替を活用した貯蓄をしている
皆さんは、「収入」から「支出」を引いて、残ったお金で「貯蓄」をするタイプでしょうか?それとも「収入」から、まずは決めた「貯蓄」を差し引いたお金で「支出」をまかなうタイプでしょうか?積立てているお金は、無いものと思って、目的以外のことには引き出さないようにすると、着実に貯まっていく
どっちも同じことでは?と思うかもしれませんが、前者は貯蓄があまりできない人です。貯めるより使う(消費)する方に先に気持ちが向くので、毎月の家計が赤字でもボーナスで穴埋めできればいいというところまで行き着くこともあります。
いざボーナス時期になると、その帳尻を合わせることより買いたい物の方が先に頭に浮かんでくるので、結果的に貯蓄が増えにくくなります。
後者は着実に貯蓄を増やしていく人です。きちんと蓄えを増やしている家計は、圧倒的に後者のタイプが多いです。給与から天引きできる財形貯蓄などを活用したり、積立定期預金や積立投資信託などの金融商品の口座引落をしています。
毎月は小さな金額でも長くコツコツと積み重ねていくことで着実に貯蓄も増えていきます。
例えば、数年後に使うことが決まっているマイホームの頭金や教育資金など、手堅く蓄えていきたいお金は財形や積立定期預金、時間をかけてより収益性を高めていきたい老後資金などは積立投信などの切り分けができると、なおベターです。
投資信託や株式の積立をされる場合は、配当や売却時の値上がり益への課税が非課税となるNISAをおさえておきましょう。
2015年3月末の時点で、NISA口座の開設数は879万件、NISA口座内の資産残高は4.4兆円に達しています。しっかり制度の仕組みを理解して、上手にNISAを活用しましょう!