ロシア株の買い方
以前は日本人は直接買うことが非常に難しかったロシア株ですが、現在ではいくつかの日本の証券会社がロシア現地の株式を取り扱っています。大手ではSBI証券が取り扱いを開始しましたし、そのほかでもニュース証券、アルジゲート証券などが取り扱っています。また、取引もそれほど手数料が高いというわけでもありません。たとえば、SBI証券を例にとると、取引手数料は、約定代金の1.2%(税込み1.26%)です(ただし、最低手数料は525ルーブル、2010年2月末現在)。また、ロシアルーブルでの決済となっており、売却代金はロシアルーブルとしてプールされるので、売買ごとに不要な為替手数料が発生しないのも魅力です。
一方、ロシア現地株ではなく、米国にADRを上場させているロシア企業を買う方法もあります。米国ADRは楽天証券、SBI証券などで取り扱われています。
銘柄の選び方
ロシア株には特徴があります。それは時価総額の50%以上を石油・ガス関連株が占めていることです。そもそもロシア経済自体が原油価格に大きく依存している状態ですから当然といえば当然なのですが、ロシア株を買うことは、原油価格に依存することにつながります。その石油・ガス関連で代表的な銘柄としては国営ガス、石油会社である、ガスプロムやルクオイルなどがあげられます。ロシア株の代表的な銘柄を選ぶとすればこの2銘柄でしょう。その他の資源系ではメチェルがあります。同社は石炭、鉄鉱石、ニッケル等を産出するロシア最大クラスの鉱山を持ちながら、かつそれらを原料にロシア2位の鉄鋼メーカーともなっており、積極的な鉱山と鉄工所で急成長してきた総合鉄鋼メーカーです。
一方、ロシア内需や、ロシア人口1億4500万人に対して、周辺諸国、旧ソビエト連邦諸国にある1億2000万人の市場に強く進出している企業に注目するのであれば、携帯電話大手2社のビンペル、モバイルテレシスムや食品大手のウィムビルダンといった銘柄が面白いでしょう。
もちろんこのほかにもロシア株にはさまざまな銘柄がありますので、自分の好みに合う銘柄を見つけて投資していくのが良いでしょう。ただし、繰り返しになりますが、どの銘柄に投資をしても、基本的には原油価格変動の影響は受けます。たとえば、原油価格が暴落すれば、ロシアは通貨危機のような状態になる可能性がゼロではありません。無論、原油価格が上昇すれば逆に大きな上昇を狙えることになるわけですが、そのあたりを頭に入れた上でロシア株に取り組む必要があるといえるでしょう。