資産運用

為替リスクを長期投資家はこうヘッジする~通貨の分散

ドル安の次はユーロ安。ならば、すべての通貨が安くなるのか?と思うのは早計です。為替とは単なる通貨の交換レートなので、すべての通貨が安くなることは起こりえません。何かが下がれば何かが上がる、三つ巴の力関係の中で「良い通貨、悪い通貨、普通の通貨」という皮相なランク付けが毎日マーケットで行われています。ならば、すべての通貨を持っていれば為替レートが変わっても資産は減りません。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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グローバルに見れば、日本は成熟市場としてあまり大きな成長はもう望めないことを、否定する人は少ないでしょう。その一方で、中国、インド、ブラジル、南アフリカなどの新興国経済は、世界シェアの中で伸張著しく、今後も成長を続けることが期待されています。

となると、必然的に利益を求める投資は海外に向かいます。向けるべきです。そのときに怖いのが為替リスクです。

投資戦略がうまく当たったとしても、為替でやられたら、元も子もありません。しかし、為替レートの動きは常にランダムで、これを読める人はいません。

こんなジレンマを長期投資家がどう乗り越えていくか?その秘訣を打ち明けると、それは通貨の分散です。

通貨分散は最強のヘッジ方法

為替レートとは、通貨の交換比率を示すものにすぎません。それ自体には、何の価値もないし、資産でもありません。通貨の間の相対的な価値が変わるので、損したり得したりするように見えるだけなのです。

米ドルとユーロ、日本円は世界の3大通貨と呼ばれますが、この3通貨は異なる値動きをするビッグスリーです。つまり、逆相関の強い通貨グループだということです。為替レートの変動による価値変動に関して、この3つの通貨は三つ巴の位置にいます。

どれかが上がればどれかが下がる、3つとも下がることは起こらないという逆相関関係です。ならば、この3つのメジャーな通貨を均等に持っていれば、為替レートの変動から無関係でいられる、と長期投資家は考えます。

新興国通貨を含めた分散も!

かつては、米ドルとユーロ、日本円で世界の貨幣流通量の80%を占めているといわれていましたので、通貨分散はこの3通貨で十分でした。しかし、金融危機以降は、新興国の存在感が増しています。

3大通貨に新興国通貨群を加えた4つの分散が最新の分散パターンです。日本円、米国ドル、ユーロそして新興国通貨を均等に持つポートフォリオで長期投資を楽しんでください。

なお、ここでは新興国通貨として、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランド、トルコ・リラ、メキシコ・ペソ、ブラジル・レアル、ポーランド・ズロチ、ロシア・ルーブル、マレーシア・リンギ、タイ・バーツなどを想定しています。
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