チェコ/プラハ

プラハのエリアガイド (3ページ目)

おもな名所は「ハラッチャニ」「マラー・ストラナ」「旧市街」「新市街」に集まっています。この4つの地区を上手にまわれば、一日で歩けるでしょう。プラハ城からそれぞれのエリアを実際に歩きながら、プラハの街をご案内いたします。

執筆者:増田 幸弘

繁華街としてにぎわう新市街

ヴァーツラフ広場の夜景。手前はボヘミアの守護神である聖ヴァーツラフ像

ヴァーツラフ広場の夜景。手前はボヘミアの守護神である聖ヴァーツラフ像

ヴァーツラフ広場で開かれるクリスマス市の様子

ヴァーツラフ広場で開かれるクリスマス市の様子

新市街は14世紀、プラハの人口増加に対応するため、皇帝カレル4世の命で開かれました。共和国広場から伸びるナ・プシーコピェ通りが旧市街と新市街の境界になっています。かつては旧市街を守るお堀がありました。

このナ・プシーコピェ通りはプラハの目抜き通りのひとつで、いつも多くの人が行き交っています。高級ボヘミアガラスで名高いモゼールのブティックや、各国料理のレストランなどがあります。石窯で焼いた本格的なピザが自慢のピッツェリアも人気です。

さらに進むとヴァーツラフ広場に至ります。広場という名前がついているものの、実際には広場というよりは大通りという印象。かつては馬市場が開かれていましたが、いまはプラハ随一の繁華街に成長しました。

ヴァーツラフ広場の両側には、20世紀初頭に建てられたセセッション(アールヌーヴォー)様式の建物が建ち並んでいます。とくに黄色い外装のホテル・エヴロッパ(ヨーロッパ)は建物正面の装飾がすばらしく、目を惹きます。内装も充実しているので、ぜひホテルのカフェで一休みしてください。ほかにもヴァーツラフ広場には興味深い建築物が軒を連ね、見ていて飽きません。

広場の突き当たりにあるのは国立博物館で、自然科学などの展示をおこなっています。年に何回か開催される企画展は充実したものが多いので、渡航時期とタイミングがあえばのぞいて見るのも一興。

ヴァーツラフ広場界隈や、ヴォディチコヴァー通りなど一本入った通りには、ルクソルなどの大型書店や、かつてチェコで製造されたクラシックカメラを売る店(フォト・シュコダ)などがあります。プラハっ子でいつもにぎわうリーズナブルなレストランや、「ツックラールナ」と呼ばれる甘味処もあります。「ツックラールナ」ではケーキなどが食べられますが、海外のご多分に洩れず日本に比べると甘く、サイズも大きめです。

このヴァーツラフ広場は、ワルシャワ条約機構軍がチェコを侵攻した1968年の「プラハの春」事件や、社会主義体制が崩壊した1989年のビロード革命など、チェコの歴史と深い関係のある場所でもあります。

 

国民劇場があるナロードニ通り

ヴルタヴァ川沿いに建つ国民劇場(右側)。左手の建物の一階にカフェ・スラヴィアがある

ヴルタヴァ川沿いに建つ国民劇場(右側)。左手の建物の一階にカフェ・スラヴィアがある

ナ・プシーコピェ通りをそのまま進むと、ナロードニ通りに通じます。この通りには大きなスーパーマーケットのテスコをはじめ、観光色があまりしない地元の人向けの店舗が軒を連ねています。

ナロードニ通りには国民劇場とラテルナ・マギカという代表的な劇場があります。国民劇場は、まだチェコがオーストリア・ハンガリー二重帝国の支配下にあり、ドイツ語が標準語だった時代、チェコ語による舞台を上演するため、国民に寄付を募って建てられました。

この劇場の向かいにあるスラーヴィアは、劇場帰りの人でにぎわってきた由緒あるカフェです。また、劇場の前にはヴルタヴァ川が流れ、チェコ軍団橋から見るプラハ城とカレル橋の風景は、プラハにあるビューポイントのひとつです。
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