繁華街としてにぎわう新市街
ヴァーツラフ広場で開かれるクリスマス市の様子
このナ・プシーコピェ通りはプラハの目抜き通りのひとつで、いつも多くの人が行き交っています。高級ボヘミアガラスで名高いモゼールのブティックや、各国料理のレストランなどがあります。石窯で焼いた本格的なピザが自慢のピッツェリアも人気です。
さらに進むとヴァーツラフ広場に至ります。広場という名前がついているものの、実際には広場というよりは大通りという印象。かつては馬市場が開かれていましたが、いまはプラハ随一の繁華街に成長しました。
ヴァーツラフ広場の両側には、20世紀初頭に建てられたセセッション(アールヌーヴォー)様式の建物が建ち並んでいます。とくに黄色い外装のホテル・エヴロッパ(ヨーロッパ)は建物正面の装飾がすばらしく、目を惹きます。内装も充実しているので、ぜひホテルのカフェで一休みしてください。ほかにもヴァーツラフ広場には興味深い建築物が軒を連ね、見ていて飽きません。
広場の突き当たりにあるのは国立博物館で、自然科学などの展示をおこなっています。年に何回か開催される企画展は充実したものが多いので、渡航時期とタイミングがあえばのぞいて見るのも一興。
ヴァーツラフ広場界隈や、ヴォディチコヴァー通りなど一本入った通りには、ルクソルなどの大型書店や、かつてチェコで製造されたクラシックカメラを売る店(フォト・シュコダ)などがあります。プラハっ子でいつもにぎわうリーズナブルなレストランや、「ツックラールナ」と呼ばれる甘味処もあります。「ツックラールナ」ではケーキなどが食べられますが、海外のご多分に洩れず日本に比べると甘く、サイズも大きめです。
このヴァーツラフ広場は、ワルシャワ条約機構軍がチェコを侵攻した1968年の「プラハの春」事件や、社会主義体制が崩壊した1989年のビロード革命など、チェコの歴史と深い関係のある場所でもあります。
国民劇場があるナロードニ通り
ナ・プシーコピェ通りをそのまま進むと、ナロードニ通りに通じます。この通りには大きなスーパーマーケットのテスコをはじめ、観光色があまりしない地元の人向けの店舗が軒を連ねています。ナロードニ通りには国民劇場とラテルナ・マギカという代表的な劇場があります。国民劇場は、まだチェコがオーストリア・ハンガリー二重帝国の支配下にあり、ドイツ語が標準語だった時代、チェコ語による舞台を上演するため、国民に寄付を募って建てられました。
この劇場の向かいにあるスラーヴィアは、劇場帰りの人でにぎわってきた由緒あるカフェです。また、劇場の前にはヴルタヴァ川が流れ、チェコ軍団橋から見るプラハ城とカレル橋の風景は、プラハにあるビューポイントのひとつです。