メビウス PC-NJ70A-W
今回搭載された最新技術は光センサー液晶だ。これは液晶自体にセンサーを内蔵したもので、液晶画面がインプットデバイスとなる。要するにタッチセンサー搭載の液晶のような物だが、通常のタッチセンサーは、液晶の上にセンサー用の膜が必要だが、この光センサー液晶は、液晶デバイス自体にセンサーが搭載されている。従来のタッチセンサー方式ではどうしても液晶の上にセンサーが載るため、厚みが若干増え、液晶の表示品質も若干下がるが、この場合、液晶自体にセンサーが内蔵されるので、液晶の表示品質自体にはほぼ影響はない。また、このセンサーは、単に指の位置がわかるだけではなく、スキャナーのような使い方も可能だ。(スキャナー機能は後日提供)
パソコンは部品を組み立てるだけのコモディティ化が激しく、その中で、独自の技術をどう生かすかが日本メーカーがこの市場で生き残る課題の1つだが、シャープの面白いところは、このような最新技術を低価格のネットブックというカテゴリで持ってきた点。通常はポインターを動かすくらいしか用途のないタッチパッド自体に、センサーとサブモニターのような付加価値をつけたネットブックで差別化を図っている。
このセンサーの使い勝手自体は、室内の照明で使うなら通常のタッチパッドと同等。屋外の直射日光下では乱反射などによって誤検知することもあるそうだが、通常の用途では特に問題はなさそうだ。
国内大手の通常のネットブックが6万円程度の所、シャープのこの機種はセンサーのコストの差か、8万円程度と若干高い。このような高付加価値の製品はハイエンド機種に採用されがちだが、どうしても数が出ない。数が出なければ普及もしない。光センサー液晶は、今後ノートパソコン以外にも採用が予定されているが、これのセンサーは固定された機能だけではなく独自のソフトも開発可能。開発環境は後日提供される。
単なる安いノートパソコンではなく、新しい何かを期待したい方には、光センサー液晶を応用したアプリケーションの開発環境としても注目かもしれない。
Mebius PC-NJ70A