2010年のたばこ代大幅値上げの100円は始まりにすぎない?
近年でのたばこ代の大きな値上げで目立ったのは、2010年の1箱100円の値上げ(タバコ代300円が400円に)が、記憶に残るところです。当時のたばこ増税の議論の中では、1箱を300円から一気に1000円という声も聞こえてきましたが、直前では500円、そして最終的には400円というところで落ち着きました。
一気に値上げをすると、たばこをやめる人が増えて健康増進につながるという厚生労働省の主張と、いくら値上げをして1箱あたりの税収を増やしても、たばこをやめる人が著しく増加することで、国の税収がかえって減っては困ると懸念する財務省の綱引きがあったことは容易に想像がつくところです。
喫煙家の心情としては500円や1000円に値上げされるなら、禁煙する覚悟を持っていた方も多かったと思いますが、400円では禁煙に踏み切れない、という微妙な心境だったかもしれません。
国の厳しい財政状況の中で、喫煙者人口をあまり減らすことなく、たばこ税収を増加させることができそうな落としどころが、当時は400円だったのかなという気もします。
この時の税制改正において、たばこ税について「将来に向かって税率を引き上げていく必要がある」と明記されており、今後の大幅なたばこ税の値上げのスタートであると、明確に位置づけられました。
2010年以降も2017年まで実際にじわじわ値上げされ、460円前後になってきており、最近では2016年にメビウス(旧マイルドセブン)が430円から440円になり、わかばやエコーなども値上げされました。2017年4月にもJTが6銘柄値上げし、9月にはフィリップモリス社のラークなどの82銘柄が値上げされます。
セブンスターで値上げの歴史を振り返ると、途中では10円単位の小刻みな値上げも多々ありましたが、キリのいいところや節目をピックアップすると下記のとおりです。
・1969年 100円
・1983年 200円
・1997年 230円
・2006年 300円
・2014年 460円(現在の価格)
2017年現在の価格460円は、ちょうど20年前の1997年の価格の2倍に値上がりにしています。
近い将来に日本のたばこ代も、欧米並みの1000円前後を目指していきそうです。愛煙家の皆さんは、そろそろたばこをやめる覚悟をもっておいた方が良いかもしれません。
生命保険料には標準体料率と非喫煙健康体料率がある
もし、たばこをやめることが出来たら、その分おこづかいを他のことに使えたり、家計もラクになるでしょう。そして忘れてはいけないのが、生命保険のチェックです。多くの保険会社では同じ内容の生命保険商品でも、保険の対象となる人の健康状態や喫煙状況によってリスクも異なることから、「標準体」や「非喫煙者健康体」などの異なる保険料水準の保険商品を準備しています。その区分の仕方や名称などは保険会社によって様々です。
保険会社の得意分野を見定めよう
健康状態に問題がない場合は、保険会社自体も選び直すことも有効な選択肢の一つです。保険会社には似たような保険商品を扱っていても、医療保険ならここが安い!喫煙者の死亡保障の保険ならあっちが安い!たばこを吸わない人の死亡保障の保険ならそっちが安い!というように、それぞれ得意分野があります。
たばこを吸わない人、もしくはたばこをやめて1年以上経っていて体からニコチン反応が出ない人の死亡保障の保険料が、業界でも安い水準の保険会社は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命などです。次のページで実際の保険料をチェックしてみましょう。
保険料が3割程度安くなることも!
一例として32歳の男性をモデルに、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の保険商品で、喫煙者の保険料とたばこを吸わない人の保険料の違いを見てみましょう。共通する設定として、いずれも保険期間は60歳までとして、保険料は保険期間終了まで一定額の年払いにしています。下記の保険料は一年分の保険料です。
※保険料は2017年5月時点のものです。保険料改定などにより変更になる場合があります。
<定期保険>(正式名 無解約返戻金型定期保険)
この保険の内容は、保険期間中のもしもの際に一定の保険金額を受け取れる保険で、解約返戻金などをなくして保険料をリーズナブルにした保険です。[主契約の死亡保険金額5,000万円、特約等は付帯していません]
●標準体 157,550円
●喫煙者健康体 154,650円(標準体より2,900円安くなる)
●非喫煙者標準体 130,300円(標準体より27,250円安くなる!)
●非喫煙者健康体 114,050円(標準体より43,500円も安くなる!!)
「健康体(特約)」とは、健康状態が良好で保険会社が定める基準を満たしており、さらに体格や血圧などが一定の範囲内にある方に適用される安い保険料率の特約の呼称です。
標準体と非喫煙者健康体では43,500円も保険料が異なります。32歳から60歳までの差額は1,218,000円(43,500円×28年間)にもなります。軽自動車が一台買えそうです。他の保険のタイプも見てみましょう。
非喫煙者向きの保険はいろいろ
<収入保障保険>(正式名 無解約返戻金型収入保障保険 2年定額型)
この保険は、もしものことがあった場合、保険期間が終わるまで(設定では60歳まで)残った家族に、契約した毎月の保険金が支払われる保険です。
残りの保険期間が長いと保険金をもらえる期間も長くなるので、受け取れる保険金の累計は多くなり、残りの保険期間が短いと少なくなります。
保険金は分割で受け取るか、少し減額されますが一括で受け取ることもできます。保険期間終了間際にもしものことがあった場合でも、最低2年分の保険金が受け取れます。
特に家族を守るための貯蓄が少ない若いうちの備えとしては、リーズナブルな保険料で高額な保障を準備できます。将来は保障が小さくなっていきますが、その分、貯蓄を増やしていける人には注目の保険です。
[主契約の保険金額 月額15万円] 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命
32歳でもしものことがあった場合は、家族が受け取れる保険金の累計は、5040万円(毎月15万円×12ヶ月×28年間)になります。
●標準体 58,035円
●喫煙者健康体 57,015円(標準体より約2%安くなる)
●非喫煙者標準体 47,520円(標準体より約18%安くなる!)
●非喫煙者健康体 41,760円(標準体より約28%も安くなる!!)
標準体の保険料と非喫煙者健康体の保険料は、やはりかなり違ってきます。毎年、安くなった保険料と吸わなくなったタバコ代の総額を合わせると、大きな金額になりそうですね。家族のレジャーや教育費・マイホーム資金・セカンドライフへの蓄えに充てることもできます。
非喫煙タイプの保険へ見直しの際の注意点
非喫煙者の安い保険料に保険を見直そうとする時には、注意点もあります。まず、保険会社の指定する病院等でニコチンの検査を受けないといけません。個人差はありますが3ヶ月前に1本のたばこを吸っただけでも、この検査に反応がでることもあります。また、告知書で過去1年以内に喫煙していないことを申告しないといけません。つまりたばこをやめても、1年間は安い保険が契約できないということになります。最近も吸ったのに吸ってないと告知してしまうと告知義務違反となり、保険金が受け取れないこともあります。
乗り越えるハードルも高いかもしれませんが、無事にたばこをやめることができて1年過ぎたら、ぜひ保険の見直しにもトライしてみましょう!