小さな隊員への手助けは、最初のきっかけが肝心
■消防署渡辺正樹さん
消防署のスーパーバイザー(消防隊長)として勤務
Q1.キッザニアでこどもが職業体験している時の、特に印象的だったこどもの様子やこどもが口にした内容を教えてください。
A1.隊長をやっていた時、火災現場で消火活動終了後に、「やったー!火が消えたよ!!」と大声で嬉しそうに叫んで、私に抱きついてきたこどもの行動が一番印象深いです。
自分がこの仕事にも慣れてきた時でもあったので、こども達に喜んでもらえるために私達ももっとできるととがあると自分の言動を改めなおすきっかけにもなりました。
Q2.キッザニアでこどもが職業体験した時の、特に印象的だった保護者の方の様子を教えてください。
A2.普段の生活では見ることができない、頑張っている我が子に喜びの声をあげる保護者の方がほとんどなんですが、こんなことがありました。
消防士がやりたいからと、キッザニアに来られたこどもさんが、その時になると、なぜか消防士をやりたがらずに泣いてしまい、リタイアしてしまわれたのです。そんな我が子を見て、悔しいやらどうして良いか分からず、思わず、泣いてしまう保護者を見たときは、言葉も見つかりませんでした。
幼いこどもさんでも、楽しく仕事ができるように、今できることは何かと考えさせられる瞬間でもありました。
Q3.こどもが職業体験している様子をご覧になって、思われていた以上に子どもはこんなことまでできるのかと感心されたことを教えてください。
A3.小学校高学年、中学生くらいのこどもは、小さなこどもの相手は煩わしいと思うことがあるかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。例えば、「小さな隊員の着替えを手伝ってあげてください」というと、それ以降、着替え以外のところでも、言われなくても手を引いてくれたり、車の乗降の手助けをしてくれたりします。
こども達は、本当はいつもそういうことを気にかけてくれているのだと思います。ただ、何か気恥ずかしい思いあって、うまく行動に移せないのかもしれません。最初のきっかけを与えてあげれば、あとは、こども達が広げていってくれると信じています。