ソースに潜んだ旨さに身体が喜ぶ
左はイカをサフランとトマトのソースで仕上げた「サフラン カラマリ」。右の「バルック ブーラマ」とともに、口当たりは軽いのに深い味わい |
イカをサフランソースで仕上げた「サフラン カラマリ」やスズキをクリームソースとケーパーで煮込んだ「バルックブーラマ」。
こちらの火の通し具合も素晴らしかったのだが、それ以上にソースの旨さが印象的だった。
サフランソースにしてもクリームソースにしても、しっかりと立役者に徹しているのに、個性はしっかりと伝わってくる。特にクリームソースは、ケーパーで酸味を、野菜のダシで旨みを補っているためか、まろやかで胃に優しい味わいがしっかりと舌に記憶された。
私はこの店で魚料理に舌鼓をうちながら、トルコのシーフードレストランでの食事にふと思いをよせたのだが、そのときと同じ、“トルコは地理的条件や歴史的背景など、あらゆる角度から各地域の影響をうけ、料理も集約されているから、やっぱり食が豊かだわ。料理を口にするたびに、なんだかワクワクする!”そんなことを思ったのであった。
とにかく、アルテミスではぜひ魚料理をお試しいただきたい。トルコ料理ファンとしては、トルコ料理イコール肉のイメージが少しでも変わっていただけたら……そんなことを願ってやまない。