オスマン帝国時代から伝わる米のソースはぜひ!
宮廷料理の特徴といえば、このほかにはドライフルーツや生のフルーツ、はちみつ、レモンを多用すること。これも重要な要素のひとつである。
松の実、地中海産の小さな干しぶどう、サワーチェリーで仕上げたピラウを、マリネした雛鳥のモモ肉で巻き、ローストした「トプカプ ウスリタウク」。(14世紀より)
ほうれん草と“お米”のソースにナツメグの香りをアクセントとしてきかせた料理であるが、これが典型的な料理だといえるであろう。
フルーツは甘みが強いので、やもすると、甘さだけが印象に残ってしまいがちなところを、メフメット氏は見事なまでにほんわかとひとつにまとめている。
スパイスやハーブのほか、このお米のソースがそれらを上手くまとめているのだろうか。お米のソースと聞いたとき、えっ?トルコ料理でお米のソース?シェフのアレンジかしら?とふと思ったのだが、聞けば、これは帝国時代からある調理法なのだという。かなり貴重なソースなので、フルーツのつかい方とともに注目をしたい。
そうそう、この皿のつけ合わせのじゃがいもも、レモンと20時間かけてとった鶏がらスープで蒸し、唐辛子などをきかせてソテーしているとか。他のつけ合わせも、このようにじつに手間と時間がかかっており、話を伺えば伺うほど、驚嘆してしまった。