エスニック料理/食にスポットをあてた旅

モンゴルの草原暮らしの食生活【1】(2ページ目)

朝青龍の故郷モンゴル国の草原に暮らす人たちの食生活をご紹介。自然と共存した生活から見えてくるモンゴル人たちの食の知恵。現在の私達の食生活に学ぶべき素晴らしいものがたくさんあった。

佐藤 わか子

執筆者:佐藤 わか子

世界のおうちご飯ガイド

夏は乳製品が食卓を飾る

チーズ等

お宅を訪れると、まずミルクティー(スーティツァイ)で迎えられる。このほかテーブルにはウルム(生乳を沸かしたときにできる脂肪分たっぷりの上澄み)、数種類のチーズ、生乳を遠心分離機にかけてできたクリーム、ほんのり甘みのある揚げ菓子(ボールツォグ)などが。私が訪れたのはチーズ作りが行われる6月だったので、ウルムやタラグ(ヨーグルト)などのフレッシュな乳製品があったが、秋や冬には乾燥チーズが食卓を飾る。

食事は基本的に1日朝晩の2回。朝から夕食までは写真のような食べものがテーブルの上に常にあり、食べたい人が食べたいだけミルクティーを飲みながらつまむ、といったスタイル。夕飯はこれに蒸し餃子やうどんといった小麦粉料理が加わる。

写真左のお菓子は、ゲルを訪れる際にウランバートルのマンションに暮らすモンゴル人とお土産に持っていったもの。このようなお菓子はお土産にはとても喜ばれるようだ。

モンゴルでは本来野菜はあまり食べないが(じゃがいも、人参、玉ねぎくらい)、最近ではロシアから輸入される瓶詰めのピクルスが人気のよう(写真右)。ホームスティしたどのお宅でもピクルスは常備されていた。

店頭
固くなったチーズはお茶に入れて軟らかくして食す。
乾燥したチーズは、ウルムをとったあとの乳を加熱し、発酵乳を加えて乳清を除去して作られる「ビャスラク」、乳清も一緒に加熱して乾燥させる「エーツギー」、乳酸発酵した脱脂乳を加熱し、水分を切ったものを乾燥して作る酸味のある「アーロール」など。アーロールには砂糖を加え、ほんのり甘くしたものも。

ウルム&揚げ菓子
左の写真がウルム。写真中央の揚げ菓子(羊の脂などで揚げ、形はひねったものや四角柱などさまざま。)やパンにたっぷりとつけて食べる。夏は作りたてのしっとり&ねっとりとした濃厚な味わいを堪能し、冬は夏に大量に作り保存しておいたウルムをいただく。
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