会うべき人は、いずれどこかで出会うもの

南与野駅から店へはタクシーで向かい、2メーターで到着(バスだと200円弱)。店の前に立ち、ガラス戸からチラリと中を覗いたと同時に、グルミレさんから少し興奮気味の声が発せられた。
「えぇ?ウソ!わたしの知っている人がいる!」

私は一瞬何がおこったのかわからず、なになに?と言いながら、彼女につられるように店の中へ入っていくと、グルミレさんと店を切り盛りしている女性とが、なにやらキャーキャーと盛り上がっている。

ん?少し落ち着いてから聞いてみると、グルミレさんとその店の女性(アイさん)は、なんと大学時代(ウルムチにある新疆大学)の同級生なのだという。さらにはふたりが会うのは4年ぶり。日本で久しぶりの再会を果たしたのだというのだ。す、すごい。なんという偶然だろう。こんなこともあるのか。そんなドラマのような出来事に、その場にいた私も少し興奮してしまった。やっぱり、会うべき人はどこにいても、いずれ惹きつけられるものなのですね。いやいや、驚きました。

破格の安さにビックリ!

羊肉のケバブ
しっとりとやわらかい「羊肉のケバブ」。辛さは好みで調整してくれる。
さてさて。
店の名は?というと、「シルクロード ムラト」。店はカシュガル出身で大学時代ウルムチに住んでいた男性エリさんと、カシュガル出身でウルムチ育ちの女性アイさんが切り盛りしている。おふたりとも日本語が堪能なので、客とのコミュニケーションにはまったく問題なし。過剰すぎず、控えめすぎない自然な笑顔は実に感じがよく、店内に入った瞬間から、すぐにほっと寛いでしまった。

店内には、4人掛けのテーブル1席と10人ほど座れるカウンターのみ。うまくいったら5月を目処に、隣の店を買いとり、壁をとり壊してテーブル席を増やす予定なのだといっていたが、しばらくは席数が少ないので、予約は必須。大人数での食事もちょっと厳しいかもしれない。(※現在は店内が改装され、席数は32席ほどとなっています。)

羊のタン
黒酢と唐辛子のタレでいただく「羊のタン」400円。とてもやわらかくてプリプリ。これはわたしのイチオシメニュー。
料理はというと、まずは破格の安さに驚く。
「羊肉のケバブ」が1本150円、ウイグルの国民食「ラグメン」は、細麺、平麺、蒸しパン、ライスの4種から選べていずれも580円。それから、小麦粉の生地に羊肉、牛肉、野菜を炒めたものを入れて、カリッカリに焼きあげた「グシナン」が400円。と、こんな具合である。ほんとうにまぁ信じられない価格だ。

小麦粉料理はすべて手作り

麺打ち
麺は注文を受けてから打ち始める。
しかも、料理はすべて手作り。本来、手作りするのは当然なのだから、それほど誇張するほどのことではないのかもしれないが、ウイグルの手作り料理の場合にはちょっと感動した。
というのも、麺料理だったら、麺そのものをその場で打ってくれるのだ。生地となるねかせた小麦粉の塊を細く切って手でのばし、パンパンッと麺を台に打ちつけてから茹で、その上にその場で炒めた具をかけて出してくれる。

麺はシコシコ、具はシャキシャキ。出来たての熱々をいただくと、なんとも美味。他の小麦粉料理もみんなそうだ。ここでは、注文を受けてから、ひとつずつ丁寧に作ってくれるという、贅沢な味を堪能できるのである。

小麦粉料理を担当するアイさんは、
「日本ではお客さんを待たせてはいけないですよね。だから、注文を聞いたらなるべく早くお出ししようと思っているんですけど、ウイグル料理は作るのに時間がかかって・・・。お客さんがイヤな気持ちにならなければいいんですけど。」