短期投資と長期投資の間には、時間軸や相場を見るのか会社の価値を見るのかなど、大きな違いがあることはわかると思いますが、では中期投資と長期投資についてはどう考えていけばいいのでしょうか。今回も長期投資のプロであるコモンズ投信の渋澤健さん、セゾン投信の中野晴啓さん、ひふみ投信のレオス・キャピタルワークス藤野英人さんにお話を伺ってみたいと思います。
 

中期と長期の時間軸以外の区別の仕方はあるのか? 

中期と長期を時間軸でわけた場合、個人差がすごく出てしまうことはこれまでの記事でも紹介してきました。そして「売るために株を買う」というのが短期や中期のベースにあるということも。しかしながら、中期というとても曖昧なイメージがあるものを考えていくとき、そういった分け方以外にもこの2つをわける方法はあるのでしょうか。

 

コモンズ投信の渋澤さん。

コモンズ投信の渋澤さん。

そんな疑問をぶつけたところ、渋澤さんはこう返してくれました。

「そもそも、中期とか長期とかということにこだわる必要はないと思いますね。すぐに境を見つけて区切ろうとするけれども、あまり意味がないことですよ。なぜならば、人によって時間の感覚は違うし概念も違うからです。」



中野さんに同じ質問をすると…

 

セゾン投信の中野さん。

セゾン投信の中野さん。

「あえて言うのであれば、時間軸があるかないかが中期と長期を区切る1つの基準だと思います。もう1つは、相場を見ているのか、世の中を見ているのかでしょうか。これは短期にも関係してきますが、相場を見るということは株価の上下によって生まれる収益を1番に狙うことなので、会社の成長や価値は全く関係ありません。一方で長期の場合には、世の中の動きによって会社の成長があり価値の向上があるのだから、そこに付随した収益を狙っていくものです。」

中期を株価の変動によって利益を得る投資とするのであれば、短期的な株価の上下、つまり「ノイズ」があるからこそ利益を得られることになります。しかし、長期投資から見ると、ノイズを収益源としてとらえることはありません。つまり短期・中期と長期では見方が全く違うということです。
 

投資において必要なことは? 

あえて「投資」と大枠で考えたときに、やっぱり気になるのが「どうすれば勝てるのか?」ということ。でもその前に知らないといけないことは、「どういうことが大切になってくるのか?」だと私は思うのです。そこでこの疑問を3人に投げかけてみました。
 

レオス・キャピタルの藤野さん。

レオス・キャピタルの藤野さん。

「投資において必要なことの1つが、ラベリングをしないこと。つまり、周りの意見や世間の判断によって『この会社は…』というように決め付けてしまわないことです。」と答えてくれたのが藤野さん。しかもこんな例まで挙げてくれました。

ドンキホーテは、上場したばかりの頃はすごく過小評価されていたんです。なぜかというと、10年以上くらい前は今よりも店舗数も少なかったし、アナリストの中には「こんなものが売れるのか?」とか「こんな売り方でいいのか?」という声もあったからです。でもアナリストの視点とドンキホーテを利用する消費者の視点には大きなずれがあって、ふたを開けてみたらドンキホーテで買い物をするお客さんはたくさんいたのです。それを見抜いて投資をしていたら、今頃は何十倍にもなっていたはずですよね。ということは、世間の偏見や思い込みをすり抜けられる人が投資で成功する可能性があるということになるのではないでしょうか。

「だから、そこを取りにいった方がおもしろいんだ」と藤野さんは言います。確かにスイングやデイトレもいいのかもしれませんが、最初の段階で価値を見極めて数年後に株価が何十倍にもなっている場合には、その過程も楽しめるのかもしれません。