恋の持病に気付かないのは自分だけ。
何度も同じ失恋を繰り返さないためにも、自分を知ることはとても必要。 |
けれど、一様に、続かないのは何でだろう。それは、男のせいでも男運のせいでもなく、A子自身の心にある。A子は一見、恋愛体質に見えて、実はあまり男を必要としていなかったように思う。少なくとも30代前半は。「恋愛で盛り上がっても、自分の生活ペースをみだされるのがイヤなのだ」といっていた。実際、彼女は日々デートやセックスを楽しみつつも、決して相手の男に影響されたり溺れたりはしない。何だかんだいって、自分のショップ経営に全勢力を注いでいた。ゆえに、普通の恋愛をのぞむ男--自分をいちばん大切に思って欲しい男--と恋愛して続くワケがない。
友人の私たちから見れば明らかなコトだったけれど、本人だけが、その持病に気付かない。男が去るたびに「私だって、ホントは寂しがりやなのに何で分かってくれないの?」と本気で悩んでいる。子供の頃から親に「自立できない女はダメだ」といわれて育ったという彼女にとって、仕事をすることはきっと何をおいても大切なこと。それは素晴らしいことなのに、自覚せずに、合わないタイプの男との恋にばかり身を投じるから何度も同じ失敗を繰り返してしまう。
自分のコトを客観視すること、ましてや、自分の心の深いところまで見つめるというのはとてもとても難しいコトなんだなと思う。他人からは見えることすらも、自分のこととなると目が曇ってしまう。
とりわけ、恋の病巣は、たいてい、心のもっとも根深いところにあって、もっとも開けたくないパンドラの箱のようなものだ。だけど、その箱の鍵は自分しかもっていないし、自分にしか開けられない。開けたくなくて放置していると、腐り続けながら、恋の持病を進行させてゆく。そして、永遠癒されない。
勇気をもって、その箱を開けてみるしかない。
次のページでは、自分を見つめるためのメソッドを紹介します。