BRICSとは?
BRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国の英語の頭文字をとってつなげた造語です。2003年にゴールドマンサックスが投資家向けレポートの中で、上記4カ国をBRICsと称して、今後世界経済をリードする新興国として位置づけたのが始まりです。実際のところ、BRICs諸国の直近のGDPの伸び率を見ても、高い実績を残しており、ゴールドマンサックスは2050年には下記のようになると予想しています。◇2050年の世界のGDP順位予想(ゴールドマンサックス)
1位 中国 444530億ドル
2位 米国 351650億ドル
3位 インド 278030億ドル
4位 日本 66730億ドル
5位 ブラジル60740億ドル
6位 ロシア 58700億ドル
7位 イギリス 37820億ドル
8位 ドイツ 36030億ドル
ちなみに2008年のランキング(実績)は1位アメリカ、2位日本、3位中国、4位ドイツ、5位フランス、6位イギリス、7位イタリア、8位ロシア、9位スペイン、10位ブラジル、11位カナダ、12位インドとなっていますから、もしもゴールドマンサックスのレポートの通りになったとすれば、BRICs4カ国は今後40年で目覚ましい成長を遂げる事になります。
BRICsは2つに分類できる
BRICs4カ国は2種類に大別できると思います。1つは、圧倒的な人口を擁し、その国自体が巨大な消費市場となりうる国で、これは中国とインドです。BRICs4カ国の2008年の1人あたりGDPを見てみると、ロシアは1万1806ドル、ブラジルは8197ドル。これに対し、中国は3315ドル、インドは1016ドルです。一般的に1人あたりGDPは3000ドルを超えると一気に上昇が加速して1万ドル台に突入する傾向があります。この点から考えると、一人当たりの所得が拡大して、内需が拡大していくという成長ストーリーを考える際、ロシア、ブラジルよりも中国やインドの方が長期的なポテンシャルは高いと言えるでしょう。
2つ目は豊富な天然資源を保有している資源国で、これはロシアとブラジルです。ブラジルは鉄鉱石と海洋石油、農作物。ロシアは天然ガスと原油に強味があります。この2カ国の成長には資源価格の安定・上昇が欠かせないと言えるでしょう。特にロシア経済は原油価格に左右されると言っても過言ではないほどです。
最後に、BRICs各国への投資方法ですが、数年前は個人投資家にとっては選択肢が非常に少ない状態でした。しかし今はファンド、ADR、あるいは個別株まで幅広い選択肢があり、個人投資家にも投資環境が整ってきたと言えるでしょう。上記の各国の特性を理解した上で、自分にあった投資方法を選択していくと良いでしょう。