子供の言語はむずかしい問題
映画での母親役は大竹しのぶさん、父親役は國村隼さんです。 (C)2010「ダーリンは外国人」フィルムパートナーズ |
ガイド:
息子さんがもう大きくなっていたので驚きました! 言葉はどのように?
左多里さん:
私が日本語で、彼が英語で……なんですけど、日本社会にいるので、どうしても日本語のほうが強くなるから、ご飯を食べる時だけは英語にしてくれって、何度か言われて……。で、「いいよ」って言ったんですけど、私はかなり無口になるので、どうなのかな~と思っているんですよね。
トニーさん:
言語って、子供ができる前までは、2人で何でも話し合える言語を使うべきという固い信念があった。たとえば、彼女は英語ができなくはないけれど、いきなり英語に切り替えると、2人のコミュニケーションの可能性が、何%かぐんと下がるわけですね。そのことはあまりよくない、避けたほうがいい。たとえ、そういう練習になるという目標があったにしても、避けたほうがいいと思ってたんだけど……。ま、今でも思ってるんですけどね(笑)。
だけど、子供に2つの言葉を母国語として持たせようと思うと、すごく大変なことなんですね。
左多里さん:(うなずく)
トニーさん:
できたら、家庭の中では、社会で使っているのとは違う方の言語を家庭の言語にしたほうが、いいんですね。それでもうまくいかないくらいだと思うんです。で、それがさっきの信念とぶつかるわけですね。絶対しないほうがいい、と。でも、子供のためには、絶対したほうがいいという……。自分の中でぶつかりあってて、大変なんです。
で、今のところは食卓で……。
でも、食卓でも、母親は子供に、自然に生きた日本語を使いたいわけですね。瞬間に……、たとえば、何か落とした時だとか、息子が何かした時だとか、日本語で言いたいのに、それを犠牲にしなければならないわけですね。
左多里さん:
私のパーソナリティがね、伝わらないじゃないですか。やっぱり母国語で育てたいなあというのはありますね。
最近、お2人の間で揉めていることといえば……>>