※2003年当時の個人の体験談です。特に法律・制度などの部分については最新情報をご確認ください。一部市町村により対応が異なります。
車を買うのに必要な「車庫証明と印鑑証明書」
車の購入までにも長~い道のりが…… |
ご経験のあるみなさんならお分かりのことと思いますが、車を買うのに必要なものは車庫証明と印鑑証明書。車庫証明は自宅なので問題なく作れましたが、印鑑証明書をもらうためには、まず印鑑登録をしなければならず、その前に印鑑そのものを用意しなければなりません。そこから私たちの長~い旅路(?)が始まりました。
「印鑑証明」のために印鑑を作る
外国の人が日本の社会で生活していこうと思ったら、いずれは印鑑が必要になるかもしれません。役所や銀行など主な契約・申請事項には印鑑を用いることが多いからです。日本の姓であれば、いわゆる三文判を買ってもいいのですが、外国人の姓となると、そうはいきませんよね。最近は、外国人の場合はサインでも可としているケースが増えているので、必ずしも持っている必要はありませんが、長期にわたって居住する、あるいは永住を考えている人であれば、1つ作っておいたほうがいいかもしれません。自動車の購入や不動産の契約などには、外国人でも公的に登録された個人の印鑑が必要になってくるからです。
私たちは印鑑証明をとるために、まず彼の印鑑を作りにいきました。知り合いの印鑑屋さんに行くと、カタカナの印鑑のサンプルを見せてくれました。けっこうたくさんあるんですよね。自分のファミリーネームを漢字かカタカナにして、それで印鑑を作るというのは、かなり楽しい体験のようですよ。短期滞在でも記念に作っていかれる方もいるそうです。
ここでちょっと問題が発生。実は夫の名字には、カタカナ表記が2つあったのです。
2つのカタカナ表記
夫の姓にカタカナ表記が2つ。国際結婚の場合、婚姻手続きの際に、日本の戸籍には配偶者の名前がカタカナ(一部、漢字でも可)で書かれます。アルファベットは不可です。私たちも婚姻届けを出すときに、一応どう表記するか考えました。当時、夫は既に日本語の読み書きが少しできるようになっており、日本人の友達に教えてもらって、自分の名字はカタカナで書けるようになっていました。なので、あまり深く考えず(今となっては、深く考えておけばよかったと反省)、その表記のまま婚姻届けに書いたのです。現在、私たちは姓を「シャウウェッカー」としていますが、その時の表記は「シャウエッカー」。日本語で発音すると、たいして変わりはないのですが、書き文字となると、これが大きな違いになってくるのです。さらに言えば、ものすごーく厳密に書くと「シャウヴェッカー」のほうが実際の発音には近いらしい(音的には「ウェ」と「ヴェ」の中間くらい)。外国語の発音をカタカナ表記にするのは大変ですよね。
さらに、彼の名前のほうでも1文字、実際の発音は「シュ」なのに「ス」としている箇所がありました。これは、英語圏のカナダに行った時から本人が使い分けていたようで、カナダで出会った私も当然「ス」で発音していましたから、何の疑いも持たずこちらの表記にしていました。
話を戻すと、そもそもカナダに永住するつもりでいた私は、戸籍上は日本姓を残していたので、彼の氏名の日本語(カタカナ)表記にはそれほどこだわっていませんでした。カナダは当然アルファベット表記ですから、カタカナを使う機会は、日本で何かあった時くらいで、それほど多くないだろうと思っていたのです。それが日本移住後に、彼の名前も名字も実際の発音とは違う表記にしてしまったことを知った時のショックと言ったら……(泣)。 以来私たちは、仕方なく2つの表記を使い分けるようになりました。