国際結婚/国際結婚アーカイブ

「私たちの国際結婚」シリーズVol.4 <後編> 夫の希望は「チームになりたい」(3ページ目)

ご主人が結婚生活で望んでいたものは「君とはチームになりたい」。しかし、その意味するところがどうしてもつかみきれないY子さん。“チーム”は実現するのでしょうか?

執筆者:シャウウェッカー 光代

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■外国人だから、日本人だからではなく、相手を理解すること

さまざまな紆余曲折を経てきたY子さんとご主人。
夫婦とは? 国際結婚とは? 2人の年月を通して感じ取ったそのままを語ってくださいました。

「日本の中にいて日本人にどっぷりつかっている私と、日本に長く住んで、いい意味でも悪い意味でも、半分日本人の文化になじんでしまっている彼。もはやアメリカ人ではないですよ。以前、姪っこが遊びに来たときも、『おじさんは、アメリカ人でもないし、日本人でもないし、変な外国人ね』と言われたことがあります」

結婚生活のなかで、あれだけぶつかるところがあっても、既に日本人的感覚を身につけてしまっているご主人との生活は、いわゆる世間一般の人がイメージする国際結婚とは、少し違うのではないかとY子さんはおっしゃいます。

「友達のお子さんで16歳の女の子がいるんですが、将来は外国人と結婚したいんですって。なぜかというと、いつも『愛してるよ』と言ってくれたり、ハグしたりしてくれるからだって。
でも、人にもよりますよね。うちの主人は違うから。公衆の面前ならなおさら、キスしたり手をつないだりは絶対しないですよ」

「たぶん、アメリカ人同士だと、それがないとダメなのかもしれない、お互いにいつも確認し合わないといられないのかもしれないけど、日本にいると、文化的に合わないからやらなくなると思います。海外に住んでいたら、また別でしょうけど」

そして、イメージだけで国際結婚に憧れている若い女性たちには、こんな警鐘を……

「そういうこと(毎日『愛してる』と言ったり、ハグしたり)を表面上だけ求めても、相手がやってくれるかどうか分からないし、やってくれたからといって、本当に愛情があるのかどうか……。
もちろんスキンシップは大切だけど、それはほんとに表面上のことだから、そういうことだけを求めて結婚してもうまくいかないと思います」

「大切なのは、外国人だから、日本人だからではなく、相手を理解することではないでしょうか。
夫婦っていろいろあって、ケンカしたときはこんな人と結婚しなけりゃよかったと後悔したり、また思い直したり、その繰り返しですけど、それでも一緒にいるということは、忍耐と努力なんですよね。誰と結婚しても絶対に必要だと思います。あと思いやりと、ね。相手もどこかでそうしてくれていると思いますし……。
そういう積み重ねで、お互い、相手への理解が深まっていくのだと思います」

Y子さんとご主人のこれまでの歳月が、とても密度の濃いもので、ご主人が望むような“チームにはなれなかった”としても、お2人がステキな夫婦関係を築き上げてこられたことが感じられます。

最後に将来のことをうかがったところ、ご主人が結婚前に約束してくれたことと、どうやら話が違ってきたようですよ。

続きは<完結編>で。
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