NHK朝の連続ドラマに、またまた国際結婚についての話題が出てきました。今度は4月からの新番組『さくら』の中のエピソードで、夫婦間の会話について、日本人同士と国際結婚とはどう違うかが語られていました。これがなかなか的を射ていて、私はふむふむと聞き入ってしまいました。
ドラマの背景はこんな感じです。
主人公のさくらはハワイ生まれ、日系四世のアメリカ人。祖母と母は日本から嫁いできており、亡き祖父の方針で、家の中では徹底して日本語で話すことがルールとなっていました。だから日本語はペラペラ‥‥というより、同世代(彼女は23歳の設定)の日本人よりずっときれいな日本語を話すというのが私の印象です。
そんなさくらが、飛騨高山の中学で1年間英語の指導助手をすることになり、和ろうそく屋(三世代同居の大家族で伝統的家屋に住む)にホームステイすることになります。
学校と日本の家庭で起こるさまざまな出来事に対し、外見は日本人そのものでも考え方はアメリカ人のさくらは、次々に“素朴な疑問”を発していきます。これに周囲は驚き戸惑いつつも、時には影響され、またさくらも徐々に「日本人のものの考え方」や「行動の仕方」を学び、成長していくというストーリーです。
さて、ことの起こりはこうでした。
結婚して名古屋に住んでいた和ろうそく屋の長女が、突然子どもを連れて帰ってきて、離婚したいと言い出します。心配した夫が後から訪ねてくるのですが、2人はあまり話し合おうとせず、寡黙な夫は長女の両親に頭を下げ、また1人で帰っていきます。
せっかく訪ねてきたのになぜ話をしないのか、なぜお互い思っていることを相手に伝えないのか、話し合うことを避けているようにすら見える2人が、さくらは不思議でなりません。
そこで、行きつけの郷土料理店で、ブラジル人店主と結婚した奥さんに、どうして日本の夫婦は会話がないのか、聞いてみます。