今回は、スイスの結婚式についてリポートします。
調べてみたら、言語による文化圏の違いだけでなく、最近は挙式スタイルもかなり多様化してきており、伝統的な慣習も省略されたり簡略化されたりしているようです(この辺は日本と同じですね)。
チューリッヒの結婚式の様子を、古くからの慣習にも触れながら、お伝えします。
●結婚の手続き
結婚を決めたら、まずStandesamt(結婚・離婚・死亡・出生の届けをする役所)に届けを出します。
するとStandesamtでは、一定期間、この2人が結婚するというお知らせを公示します。同時に新聞紙上でも広報します。
この公示期間に誰かがこの結婚に異議を唱えたら、2人は結婚できません。これは、戸籍制度がないヨーロッパの国でよく行なわれている方法で、重婚を防ぐ意味があります。つまり、公示期間に誰かが「この人は私と結婚しています」と異議を唱えれば、重婚が防げるわけです。
何も異議がなければ、彼らは晴れて結婚できることになります。
正式な結婚手続きをStandesamtという役所で行なうことを「シビル・ウェディング」といいます。
これには新郎新婦のほかに2人の立会人が必要となります。4人でStandesamtに行ってサインをすれば、これで法的な婚姻は成立です。
親戚縁者や友人・知人へのお知らせは、伝統的には、カップルの両親の名前で別々に通知を出していたそうです。つまり、新郎の両親の名で新郎側に、新婦の両親の名で新婦側の関係者に、結婚通知を送ったのだそうです。
ただ、この方法は現在ではあまり行なわれなくなったそうです。最近はカップルの名前でお知らせを送るのが一般的になっているようです。