板橋大山の人気の焼き鳥屋
東武東上線「大山駅」から川越街道へつながる「ハッピーロード商店街」は、テレビの情報・バラエティ番組によく登場する商店街として名を馳せている。その途中の左手角をちょいと入ると、旨い焼き鳥で密かに人気を博している「彦」が現れる。駅から5分といったところだろうか。上、時計回りに上はアスパラ、はつ、ジャガイモ、玉子、しそ巻、ししとう、手羽、正肉、トマト巻、しいたけ。中、クリスピーで香ばしい「皮」、鶏の「そぼろ丼」。下、お酒各種。 |
L字のカウンター10席、その奥の座敷は4人席のテーブルが3卓と、ちょいとした宴会もできるスペースである。
お勧めは当然焼き鳥各種。正肉(ネギ間)、レバー、だんご(つくね)など、どれをいただいても納得だが、中でも「皮」はクリスピーで極めて香ばしく、下に敷かれた白髪ねぎと共に味わえば酒がすすむ。タレは嫌味な甘さを抑えたキリっとした旨味、酒飲みにはたまらない塩梅だ。
一般的に焼き鳥屋の多くは「玉子」(うずら)を結構なおざりにしていることが多く、適当に焼かれて、味わいがなく、水っもい店もあったりするが、「彦」の「玉子」は実に気合が入っている。注文してからおよそ10分、玉子の表面にタレが香ばしくまコーティングされ、頬張れば熱々ホクホクなのだ。また焼き鳥に使われている振り塩は、石川県能登産の「珠洲の海」という塩を取り寄せ、水分を若干含んでいるので、鍋で空炒りした後に、ミルでパウダー状にしてから使用しているこだわりだ。
「炭はねやはり火力が違うんですよ、特に備長炭は鶏の脂が落ちても燃えることがないので、いたずらに焼き鳥を焦がさなくてすむんです」
と店主の森田吉彦氏。開店して17年を迎えたそうだ。客層はサラリーマンや住人、家族連れ、近隣に大学病院があるので、その先生や看護師の人々でいつも賑わっている。