南清貴さんの新しいアトリエを訪ねて、おいしいコーヒーを淹れていただきました。 |
からだと食の深い関係をみつめて
「ナチュラルエイジング」を提唱し、フードプロデューサーとして活躍する南清貴さん。彼がレストラン「キヨズキッチン」を開くことを決意したのは1990年代、まだスローフードやオーガニックという言葉が一般的になる前の時代でした。自然食でもマクロビオティックでもない、キヨズ流の「オプティマル(最適)」なお料理。やがて多くの協力者たちとの出会いを得て実現したキヨズキッチンは、健康的に育てられた食材のパワーを活かし、化学調味料をいっさい使わないシンプルな美味の数々でお客さまを喜ばせてきました。
著書『究極の食』より: 「自分が食べたトマトは、身体の中で複雑な化学反応を経て3時間後には身体の一部になっている。そのトマトが農薬まみれの促成栽培だった場合と、真夏の太陽を浴びて無農薬で育った場合とでは、違う自分が作られるのだ」 |
「舞台の上でも、できるかぎり自然な状態で自分がそこに存在しているということを大切にしなきゃいけない」と南さん。
日々、自らの体験を深めるとともに最新の栄養学を学び、からだと食の密接な関係を説く彼の言葉は、真摯な説得力に満ちています。
キヨズ流の料理の基本は、自分の大切な人、大好きな人に食べてほしいものを作ること。大好きな人の「おいしい!」という笑顔は作り手の無上の喜び。そして、食べたものは直接その人のからだを作るから、からだにダメージを与えてしまうような食材は口にしてほしくないのです。
「料理の中には真理がこめられている。料理は『理(ことわり)をはかる』と書くでしょう」と南さんは語ります。
その真理が、はたして現在私たちが何気なく口にしている料理の中に見つけられるだろうか--そう考えると、首をかしげざるをえません。
だからこそ南さんは、良質の食材を選ぶことの大切さ、身のまわりに溢れている安価な、工業製品と化してしまった食べものの危険性を一人でも多くの人に知ってほしいと願うのです。
フラックスオイルの力
12月のお料理教室で私たちが作った「ヤンソンの誘惑」。あつあつの、ほくほく! |
じつは実家の母が老人性皮膚掻痒症に悩まされており、病院通いをしても治る気配がないので、試しに日々の食事に良質のフラックスオイルを加えるようすすめたところ、あっという間に完治してしまったのです。
実践法はきわめて簡単。毎晩、母に納豆を食べてもらって、その納豆に大さじ1杯のフラックスオイルをかけるだけ。母の快癒ぶりを見て、健康でぴんぴんしている父も「フラックスオイル納豆」を始めたほど。
私はこの驚くべきフラックスオイルの力をもっと知りたくなって講座に参加したのでした。
ビジュアライズが人生を作る
そんなご縁をきっかけに、南清貴さんが初台に開いた新しいアトリエを訪ね、日々どんなコーヒータイムを過ごしていらっしゃるか、示唆に満ちた楽しいお話をうかがうことができました。「ビジュアライズできない目標は、実現できないからね!」
理想のコーヒーの味から、人生はビジュアライゼーションが大切というお話まで、実体験に裏打ちされた素敵な言葉の数々を次ページでご紹介しましょう。