スペシャルティコーヒー4種の個性
この日メニューにあったスペシャルティコーヒーは全部で4種類。それぞれの特長を田中さんに訊ねてみました。親しみやすい言葉で説明してくれるのは、前職での訓練のたまものでしょうか。
(1) ウィンターブレンドは最も深煎りで、ビターな中に甘い香りが漂います。
(2) ブラジルの豆は「ヴィラボア」と「サマンバイア」の2種類。この2品は同じ地方の農園で栽培されたものながら、収穫したコーヒーチェリーの乾かし方が違うという、こだわりの品揃え。ヴィラボアはナチュラル(自然乾燥)、サマンバイアはパルプドナチュラルで乾燥させたコーヒー豆。
「飲み比べてみると味が違うんですよ」
(3)コスタリカのブルマスの豆の香りをかがせていただいたときは、こんな言葉を添えてくれました。
「赤ワインやダークチョコの香りがするでしょう? それから、栗の香り」
…栗の香り? うまく嗅ぎとれなかった私が首をかしげていると「栗は遠くで手を振っている感じです(笑)」
屋台コーヒーならではの幸福感
高品質で新鮮な豆が挽かれるとき、ミルから名状しがたい芳香がたちのぼり、鼻をくすぐってくれる幸せ。これも一連の作業を至近距離で見られる屋台ならではの楽しみのひとつですね。
フレンチプレスは挽きたての粉にお湯を注ぎ、そのまま4分ほど待ってから抽出します。私見ですが、この抽出方法はコーヒーに含まれる甘みを強調するように思えるのです。もちろん、それには豆が上質、かつ焙煎が的確で、たっぷりと甘みを蓄えていることが条件なのですが。
ですから、ふだんはお砂糖&ミルク党のかたも、ひとくち目はぜひ何も加えずに味わってみてくださいね。渋みやえぐみがないので、抵抗なく飲めるはず。
…それでもやっぱり甘みを加えたい、という向きには、含蜜(がんみつ)糖から手作りしたシロップ(写真上右)が用意されています。寒い季節には、体を冷やす効果のある南国のさとうきびを原料としたお砂糖は使わないのだそう。これからの時期には嬉しい心遣いですね。
※参考:フレンチプレスの詳細はこちらの記事をどうぞ。
「コーヒープレスでおいしい一杯」~ミケネコ舎に教わるプレスの使い方