渋谷の屋上カフェが西荻窪に移転
2001年、渋谷センター街の雑居ビルの屋上にオープンしたクワランカカフェ。カフェというより簡素な“海辺の小屋”のような佇まいが逆に魅力的で、多くの人々にこよなく愛され、台風のたびに屋根が吹き飛ぶのではないかと心配されつつも、雑踏を見下ろすのんびりした休憩所としてすっかり街に定着していました。
ある時期、私はどんなにあの屋上カフェで中国茶を飲みながら雲を眺めて過ごすのが好きだったことでしょう! 店名のクワランカが、向田邦子が綴った「くらわんかの皿」を読み間違えたというのさえも魅力でした。向田邦子自身も童謡の覚え間違いをエッセイに記していますから、ある意味、ふさわしい間違いと申せましょう。
そのクワランカカフェが2008年5月、ビルの老朽化により西荻窪に移転しました。立地は屋上からビルの1階に変わりましたが、地上に降りても、ひっそりした空気感も居心地の良さも、みずみずしい苔玉や豆盆栽も渋谷時代のままに息づいています。では、新しくなったものとは? 今回は、新クワランカカフェの魅力をお伝えします。
※オープン当時のクワランカカフェの様子はこちらでご覧いただけます。