ハチドリのひとしずく
この映画でコーヒー栽培と取引の実態を知ってしまった私たちに、できることはあるのでしょうか。個人の力のあまりの小ささをまざまざと思い知らされ、無力感に襲われたとしても不思議はありません。
そんなとき、私がいつも思い出すのは『ハチドリのひとしずく』と題された1冊の絵本です。静かな勇気を与えてくれる感動的な物語で、あちこちで話題になりましたからご存じのかたも多いでしょう。南米アンデス地方に語り継がれてきた物語を辻信一さんが翻訳したもの。
※『ハチドリのひとしずく』についてはAllAbout[ボランティア]のこのページでも取り上げられています。
物語の中で、森の火事を消しとめようとして、ひとしずくずつ水を運ぶハチドリは言います。「私は、私にできることをしているだけ」
小さな水滴が森を焼き尽くす炎を消せるはずもないのですが、そのハチドリが100匹に、やがては1000匹に増え、さらには大きな動物たちがハチドリに協力を始めたらどうなるでしょうか? 絶望の隣に身をひそめているささやかな希望。