一杯のお茶の中に
一杯のお茶の中に
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茶道、それは
日々の雑多なものごとの中にひそむ美しさを
深く愛すること。
『本のお茶』のオリジナルは、岡倉天心が日本やアジアの精神文化や美意識を西洋人に向けて説いた英文の名著『THE BOOK OF TEA(茶の本)』。1906年にアメリカで出版されるや大評判になり、その後、世界各国で翻訳され、日本文化を知るための窓口として、今なお多くの外国人に読まれています。
茶人たちが洗練させてきた茶道の本質や日本人の美意識について、世界的な視点をもって鋭く喝破した天心。
2007年末発売の『本のお茶』は、カフェと喫茶の時間を愛する現代の人々のために天心のエッセンスをわかりやすい日本語に訳し、人気写真家・藤田一咲さんの写真とともに展開するヴィジュアルブックです。現在の東京のカフェシーンから『茶の本』各章を眺めるコラムも収録しました。
次ページ以降で、巻頭の言葉、第一章の本文、そしてコラム「茶話」の中からほんの少しずつ抜粋してご紹介します。