通過地点に定住中の旅人。すこし不思議なその位置は、彼の心が生みだしたものであると同時に、無数の偶然や縁が交差してきた結果でもあるのだろう。
前嶋さんは両親の手作り家具に囲まれていた子ども時代の家の記憶をさぐり、その空気を思いだしながらモフモナの美しい空間を組みたてていった。
いまの日本には独自のカフェ文化が生まれていると思う、と前嶋さん。個人が営むカフェには、作り手が自分の中から引きだしてくるさまざまな表現がちりばめられている。訪れる人々は空間や料理を愉しみつつ、作り手の表現から刺激を受け取るのだ。