1965年のブラジルに想いを馳せて
コッポ・ド・ヂーアのオーナーは伊藤正弘さん・知子さんご夫妻(写真右)。40年前、知子さんのお母さんは両親(知子さんの祖父母)とともにブラジルに渡り、そこで2年間を過ごしました。 上のモノクロームの写真は1965年に撮影された、ブラジルの自宅の前のご家族。手を上げてなにか合図をしているのが若き日の知子さんのお母さんです。 |
オーナーの伊藤さんご夫妻 |
「母はあまり昔話をするひとではありませんでしたから、ブラジルの話はほんの少ししか聞いたことがありませんでした」
1995年にお母さんが他界したあと、持ちものを整理していた知子さんは、ブラジル時代の家族の写真や、お母さんがお料理やお菓子のレシピを綴った古いノートをみつけました。
そのときから知子さんのブラジルへの想いがひろがっていったようです。結婚し、正弘さんと二人でカフェをオープンしたのち、2007年に知子さんは古い写真を手にブラジルを訪れました。
2007年、同じ場所に立って
上の写真は知子さんが今年訪れた同じ場所。写っている塀はそっくりそのままですね。そう、ここはかつてご家族が住んでいた家の前です!
「詳しい住所はわからなかったのですが、現地でカフェに入って、写真を見せてこの家を知りませんかと尋ねたら、まわりの人が親切に教えてくれたのです。当時の家もまだ残っていて、現在住んでいる人がどうぞどうぞと快く中に招き入れてくれました」
地球の反対側の国と知子さんとを結んでいた不思議なご縁。その大切なご縁はいま、魂をかきたてるブラジル音楽や、お母さんが遺したレシピをもとに作るお菓子のかたちをとって、コッポ・ド・ヂーアの中に活かされています。