カフェづくりに活かされるセンス
落ちついた飴色をした家具たちは、ふたりが時間をかけてひとつひとつ丁寧に選んだもの。ある椅子は中目黒での家具ショップで、ある椅子は金沢の家具ショップで。
奥様の美菜子さんはもともとインテリア関係のお仕事をしていたそう。さまざまな家具や雑貨を集めて自分たちの世界をつくりあげるにあたって、持ち前のセンスが存分に発揮されたようです。
ひとりで訪れるお客さまには窓際のソファ席が人気で、その椅子を自分の指定席と決め、窓からちらりと中をのぞいて先客が座っているときには、カフェに入ってこないというお客さまもいるそう。たしかに、ひとりで居心地良く本を読んだり、窓の外を眺めてぼんやりしたりするのにふさわしい席です。
「小学生の女の子たちがお店に来てくれたこともあります。ドアを開けて、おそるおそる『このお店は小学生だけでも入れますか?』と聞いてくれたのが、もうたまらなく可愛くて(笑) みんなでケーキとお茶を楽しんでくれました」
彼女たちにとっては、jam jamはご近所のちょっと憧れの場所だったに違いありません。子どもの頃に胸をときめかせたカフェのたたずまいは、きっと大切に記憶されていくことでしょう。
カフェがもっともにぎわうのはランチタイム。ご近所の人々と交わす何気ない会話が楽しみで、と石川さん。おすすめのメニューをうかがってみました。