カフェ/六本木・麻布・白金のカフェ

high-kyo(ハイキョ)…麻布十番(3ページ目)

築40年以上のビルの地階に古道具屋・ギャラリー・カフェと3つの顔を持つ、美しく廃墟めいた空間があります。古いモノたちの持つ豊かな質感に触れに行きましょう。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

昭和40年代、素材革命の起きた時代

日本の昭和40年代は、モノの素材に革命が起きた時代だと千村さんは語ります。40年代後半に入ると、従来の木やガラスなどの素材に変わって、デコラの天板のテーブルやプラスティック製品が登場してきたのです。

カフェハイキョの写真high-kyoには、この素材革命の影響を受ける前の昭和30~40年代に作られた古いモノたちが集合しています。千村さんがモノを選ぶ基準は「自分が好きかどうか」。
古道具ならすべてよしとするのではなく、2007年という今の気分に合うものだけを注意ぶかく集めるのです。

現在の眼で選びとる古道具。その中で、古い時間と新しい時間が交錯します。そしてギャラリーの展示を通して、 新しく創造されたアートと、古くから息づいているモノたちが交感しあっているのです。

オーナーのセンスによる”編集”を経て生み出されていく新しい物語。そこに共感を寄せるのは、雑誌のページまるごとのインテリアや、有名デザイナーの作品をそのまま取り入れることに飽き足らないお客さまたち。

high-kyoのようなお店で古道具を探して歩く喜びとは、氾濫するモノの中から自分にぴったり合う小さな物語をひとつずつ発見し、収集していく喜びなのかもしれません。

カフェを併設した理由

high-kyoの奥まった一角にカフェを設けたのは、千村さんがこれまでのギャラリーに物足りなさを感じていたため。
「ギャラリーでアートに触れたあと、余韻を楽しむ場所がないことが不満だったのです」

アートのある空間とひと続きのカフェに腰をおろせば、たっぷりと余韻にひたることができますね。ギャラリーの作品群から受け取った印象を保持しておくためには、外界から隔たった地下の濃密な空間はまことにふさわしく思われます。また、店内でこれぞと思う古道具を発見した人が、いったんクールダウンして熟考する場所としても最適なのだとか。

▼コーヒーは一杯ずつドリップして

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