参加者は20代から70代まで
Mother earth BISのニットカフェに集まる人々は幅広い年齢層の人々。編み物をしながらわからないところを教えあったり、情報を交換したりしているそう。
「若い女性は技術がなくてもセンスの良いひとが多いですから、ご年配のかたがそれをご覧になって、次の作品のヒントを得て楽しんでいらっしゃるんですよ」
参加者が編んでいるのは、セーターのような大きなものから、帽子、バッグ、携帯電話入れなどの小物まで十人十色。ファッション誌の切り抜きを持ってきて、「こんなバッグを編んでみたいのですが」と戸國さんに相談し、イメージ通りの作品を仕上げていく人もいるといいます。
手しごとの喜び
戸國さんが編み物を始めたのは小学生時代の手芸クラブ。きちんと習ったのは結婚してお子さんが生まれてからだといいます。「一日のなかで、ほんのちょっとでも編み物をする時間があると、気持ちがリフレッシュするんですよね」
ニットカフェにやってくる会社員の女性は、どんなに忙しくても、自宅に帰ってわずかな時間でも編み棒を持つと心が落ちつくと話してくれたそう。
「編み物を始めたら、手で作ることがなにもかも楽しくなってしまってミシンを買い、睡眠時間をけずってまで自分の着る洋服を縫い始めたとおっしゃる女性もいらっしゃいます(笑)」
自分の手のなかで、美しい色ををまとったものが少しずつ時間をかけて生まれていくこと。その喜びは何気なく考えている以上に、大きいのかもしれません。