le Lion(ル・リオン)
東京都渋谷区恵比寿1-21-16/TEL 03-3445-8131
カフェをよく知る人々が作ったカフェ
ル・リオンの店内の印象を決定づける赤いベンチシートは、パリの老舗カフェで必ずといっていいほど見かけるもの。そのベンチシートは、他の誰よりも東京カフェの歴史をよく知っているに違いありません。ル・リオンに運びこまれて壁際に落ちつくまでに、カフェ・ド・フロール時代、Nid
Cafe時代、Qahwa時代を過ごした長い歴史を持っているのです。
初めてル・リオンのテーブルについたとき、私はそこで働く人々のほぼすべてに見覚えがあることに気がつきました。かつてNid Cafeで、またオープン当初のeau cafeで、そして、Qahwaで活躍していた強力なスタッフが、揃ってこの新しいお店に集合していたのです。
「東京カフェ」スタイル誕生の直前
ル・リオンをご紹介するには、東京のフレンチスタイルのカフェがどのようなものだったのか、少し歴史をご紹介したほうがいいかもしれません。歴史といってもたかだか10年にも満たない歴史なのですけれども、あらゆる飲食店が短いサイクルで交替していく東京にあっては、10年というのは確実に「非常に長い日々」に感じられてしまうのです。2000~2001年頃、東京カフェがブームと言われた当初、必ずセットで使われた形容詞は「まるで部屋のような」でしたが、その<東京カフェ>スタイルの流行に先だつこと数年、表参道にフレンチスタイルのオープンカフェの数々が花開いた時期をご存知でしょうか。